2024年6月3日月曜日

【紅をさす2】

ーはじめにー

これは劇団「東京マハロ」の演目「紅をさす」に当時、自分が推していた木崎ゆりあちゃんが出演しており、それを東京まで遠征し見た感想をTwitterに綴ったものである。

因みに「紅をさす」の内容は性同一性障害を取り扱った作品で、女性になりたいと望む7歳の少年「栄五郎」を癖は強いが暖かい親類縁者たちが優しく受け入れ、最後までわだかまりを持っていた母親が息子と真剣に向き合う名シーンで終わる作品である。

ゆりあちゃんの役は栄五郎の同級生で本劇ではあまり語られなかったが、ゆりあちゃんも性同一性障害という設定であるw

ブログ再掲載にあたり思い立ったままにつぶやいた乱文乱筆を多少分かりやすく修正しましたw


ースタートー

「紅をさす」って実はあの後に続く物語が本編になるんじゃないかと思うんだよね~

今回は主人公の栄五郎の幼少期の話だったけど次は彼の青年期の話で。。

続編の舞台の冒頭ではゆりあちゃんと栄五郎が手を繋いで立って。。

栄五郎が「そろそろ夢が実現しそうです」と言って。。

ゆりあちゃんが「でも続きがあったのです」~みたいな始まりw


前回あえなく挫折した「紅をさす」の続編。考えました。

仕事中勝手に思考が溢れました。。

メチャクチャ長文になります。。

メールボムじゃないんでブロックしないでね~
🐻📱📨📨📨

 

物語のベースは前書いたのと同じです。。

ただ、最後にゆりあと栄五郎が結婚するハッピーエンドの物語だと何の障害もなくつまんないんで。。

間、話がこじれるようにw栄五郎のことが好きなライバルを新たに設置します。。

でね、彼は栄五郎と真逆なとても魅力的なキャラクターで。。

チビでデブでハゲの野性味あふれるがさつな男wそして、とことん熱い!

イメージ的には福澤重文さんw (※「紅をさす」出演の個性派俳優)

今回二役で頭も丸めてもらいましょう~

 

同時にゆりあちゃんにも恋人を設置しましょう!

可愛らしく大人しい天然さん、でも人一倍強い心を持っている。。

48GでいうとSKEの江籠ちゃんかHKTの美桜ちゃんw

ゆりあと栄五郎は高校時代に二人に出会い恋愛をし同時に強い迫害を受ける。。

ゆりあちゃんが大好きな学園物ッス!

しかも、超複雑な四角関係ですw

 

仮にチビデブ男を「重文」、天然娘を表記が美しいので「美桜」にしましょう。。

学園内で強烈な迫害を受け、しかし4人は強く生きていたが。。

それもやがて限界へ達する。。

そこで重文が提案する、自分が生徒会長に立候補して学園の改革を行うと。。

実は重文はクラスでもリーダー的存在で欠点はルックスだけだったw

 

重文は頭も切れ、日本人特有の熱しやすく冷めやすい性格を利用し熱のピークを投票日に持ってくる策を立てる。。

そして、いちばん重要なのは大多数の無関心な層『サイレントマジョリティ』の支持を得ることだという。。

彼らを引きつけるために、自分は敢えてピエロになると宣言するw

 

インドの映画ならここでCGをふんだんに使った4人版サイレントマジョリティのパフォーマンスが始まるところだが割愛w

重文とゆりあは先頭に立ち、学園の各所で演説を展開。。

大人しい、栄五郎と美桜は裏方で横断幕を縫ったり、BGM(サイエントマジョリティのアレンジ)を制作したりバックダンサーをして支えるw

そんな活動の中、重文の演説が火を噴く!

 

自らをパーフェクトコンプレクサー(完全なコンプレックスの人)と名乗り。。


「俺を見ろ!デブで、ハゲで、ホモ。。俺はコンプレックスの塊だ!

俺程でなくても皆も少なからずあるはずだ、そんな人たち誰もが皆胸を張って学べる学園を目指そうじゃないか!

必ず実現できる!何故ならリーダーはこの(両手の親指で自分をさす)俺だからだw」

 

変な盛り上がりを見せ、重文は一躍人気者となりアンケートによる票読みをすると現職の生徒会長と遂に並んだ。。

焦った生徒会長側が痛烈な妨害を仕掛けてくる。。

重文はそのすべてを事前に察知し、回避し続けるが、最後の不良による立候補取り下げの脅しはまんまと食らう。。

そこで重文は大いに挑発をする。。

 

カッとなった不良が重文に殴り掛かる、必死に三人が止めようとするが重文はそれを制し袋叩きに合う。

不良が去った後、担架で運ばれる重文は痛そうに引きつった笑顔をみせ「勝った」という。

これでサイレントマジョリティの同情票を得られると。。

 

翌日、包帯にぐるぐる巻きになった重文が松葉杖を突いて通学してくる。。

パフォーマンスだと知っている三人は多少呆れるw

お昼休み、放送室でスピーカーによる立候補者たちの最後のアピールが始まる。

とても大切な最後の一手。

緊張した面持ちでゆりあ、栄五郎、美桜は放送に集中する。


そして、重文が再び吠える!


「この薄汚い豚ども!俺様の金言を聞く準備は出来てるか?!」


ずっこける三人。

しかしその後、重文は名演説をする。

出だしから急にトーンを落とし、しっとりと現実を説く。。


「皆さん一人でババ抜きはできますか?

自分に嘘をつけますか?

いいや、それは絶対にできない。。

でもこの世の中を見回してみると、偽りや嘘だらけだ。。

仮面で顔を覆い虚像をまとう人生。。

 

そんな事に如何程の価値があるというのだろう。。

本当はみんな『正直』に生きたいはずだ。。」


(※ここでビリージョエルのオネスティが流れ始める)


学園じゅう「うわ演出だっさ!オネスティと正直が掛かってるやんw」と思うが同時に惹きつけられる。。


「せめてこの学園だけでも『正直』でいられる場所を作ろうじゃないか!!!

Σお"お"お"お"お"ぉぉぉーね"すていいいぃぃぃー!!!」

 

気持ちの高ぶった重文は"オネスティ"のサビが来ると思わず大声で熱唱してしまい。。

放送は残り時間を余らせて突然切られる。


頭を抱える三人。

だが投票日当日、重文は大量得票を獲得し生徒会長に就任する。

重文はパーフェクトコンプレクサービリージョエルと改名する。


重文は仲間の3人を生徒会員に任命し、新たな生徒会が発足する。

新しい生徒会は人の優しさの分かる学園の運営を行い、いじめ撲滅を信条とし特に責任感の強い美桜が率先して見回りを行った。

彼女が一声上げると直ちに3人が集まり、ゆりあが腕力で生徒の仲裁に入り、重文が職員側と折り合いをつけ、栄五郎が被害者のフォローと得意分野を担当し次々に問題を解決していくのだった。。


充実した学園ライフの中、ゆりあはついに栄五郎へ告白すること決意する。

しかし、その前にゆりあは美桜から告白を受ける。

ゆりあはとても気の弱い美桜が全力で挑んだ告白を即、断ることが出来なかった。

きっと彼女は傷ついて立ち直れない。

取り合えず、保留にし彼女のために時間を掛けて断る方向にもっていこうと考えていた。

そんなある日の校舎裏でゆりあは、栄五郎が重文に告白している場面に偶然遭遇する。

ゆりあの耳には何も入ってこない。

二言三言会話を交わしふたりは、しっかり抱き合った。

半泣きになりながら走ってその場を離れたゆりあに心配して声を掛けるものがいる。

美桜が心配そうに立っていた。

ゆりあは美桜の肩をつかみ「付き合おう!」と言い美桜が「はい」というが早いか美桜を強く抱きしめる。


「痛い!痛いよゆりあちゃん!でも嬉しい。。」


美桜もゆりあを抱きしめた。


校舎裏でも栄五郎と重文が抱き合っていた。


夕日が4人を染めた。




学園編はこれでおしまい!次からはヘビーな社会人編!


社会人になり栄五郎と重文はラブラブだが、ゆりあと美桜は別れ友だちになる。

美桜が涙ながらにゆりあに別れ話を持ち出したのだ。

「ゆりあちゃんは本当はほかの人が好きなんでしょう?」という美桜にゆりあは無言でうなづいたのだ。

実はゆりあは美桜と付き合っている間もずっと栄五郎が好きで最早その衝動を止められなくなっていた。

だけど告白できず片思いを通していた。

 

そう、この物語は社会の白い目や迫害にさらされて結婚できない栄五郎と重文を、本当は栄五郎が好きなゆりあちゃんが全力で支えるとても悲しい物語なのです!

各職場で迫害を受ける4人が再び集結し最強の4人と自称し社会への反撃が始まる。

 

重文が言う、俺は衆議員に立候補する。

社会を変えるのはそれが近道だと。

父の知り合いに有名議員の秘書も務めた選挙のプロがいてその方が協力してくれると

しかし国会議員は生徒会長のように簡単には行かずとにかく大金が必要だった。

4人は金策に奔走する。

 

重文はなんとか立候補にこぎつけたが、実際はそこからが大変だった。

人も殆ど雇えない重文は四人とも会社をやすみ不眠不休で選挙活動に勤しむ。

そんな中、最早初老となった田尾家(栄五郎のとても優しい親族)や先生やかつてのクラスメートが駆けつけ無償で活動に協力してくれる。

 

しかし票読みをしてみると現職との差は大きく苦戦は続く。。

そこで元秘書が提案する。

票を金で買いましょう。5千万用意してくれれば私が当選させてみせましょう。

がっくりうなだれた4人に対し田尾家が言う。

俺の退職金を使ってくれどうせこの歳で使いみちがない

 

私の退職金も使っておくれ、俺の貯金も全額くれてやる!

田尾家の協力により金額は集まり、秘書は絶対あなたを当選させてみせましょうという。


だが、重文は大差で落選する。


そう重文は詐欺にあったのだ。

血相を変えて重文は秘書の事務所になだれ込む。

 

秘書は全く悪びれず答える、何のことかわからない?証拠でもあるのかね?それとも不正を選挙管理委員に訴えるか?それはそれであなたの協力者にご迷惑がかかるんじゃありませんか?

重文は顔を真赤にして激昂する。

「お金を返してください!」

そいつをつまみ出せ。

 

重文は雨の中に放り出され、そのままずっと何時間も「お金を返してください」と連呼する。

夜も深くなり、いつしか秘書の豪邸の明かりがすべて消える。


「あのお金は。。大切なお金なんです。。

おじさんやおばさんたちから頂いた。。

たくさんの思いや夢の詰まったお大切な金なんです。。」


地面でうずくまり最後は嗚咽になる

 

明け方に、全身びしょぬれで重い足を引きずるように重文が帰ってくる。

虚空をぼーっと見つめ、抜け殻になった重文を三人が支える。

それから結構、時間はかかったが三人は励まし続け、重文がようやく復活する。

重文は言う、近道なんて楽をしようとしたのが間違いだ、これから茨の道だが一緒についてきてくれるか。

三人は真剣な目で強く頷く。

4人はマイノリティーの団体を立ち上げ地道な活動に入る。

 

活動を続け皆が中年になったある日、重文が突然浮気をする。

栄五郎はショックを受け団体からも去りたいという。

ゆりあは、なら私も団体やめていいと言い、悩む栄五郎に「どうせなら。。二人付き合っちゃおうか?」と冗談目かしく言うが栄五郎に笑われて本気でしょげる。

それから栄五郎はどんどん元気がなくなり、最後はごはんも食べなくなる。

 

ゆりあは切れて重文の部屋へ怒鳴り込む。

ドアが空いたと同時にあごに膝をくれてやりそのままなだれ込み、重文の待て待て!の言葉も無視しボコボコにする。

ゆりあが息を整えるために手足を止めた時には既に重文の顔は腫れ上がり別人になっていた。。


「もー待てって言ったのにー」


重文が説明する

 

俺はアイツの自由を奪っている。それが我慢ならない。

アイツは俺より器量がよく探せばいくらでもいい相手と付き合えるはずだ。

ゆりあはそんなの勝手だと言う。


重文は続ける。

「俺は気づいてしまったんだ。

俺達が結ばれる世の中なんて来ない。

みんな年を取った。ここから先はみな自分のために生きてほしい、

もう…俺の独りよがりに皆を拘束するのは…俺の心が耐えられないんだ!」


ゆりあが叫ぶ。

「誰が嫌だって言った!みんな進んで拘束されてんだ!

今更、音を上げるなんてゆるさねえ!

あんたは常に私達の道標でいろ!

これは命令だ!

今から私はお前を病院送りにする。

命令に背いたらどういう目に合うかその身にしかと!

Σ 恐怖と痛みを刻み込め!!!」


「ひー!」


ゆりあは重文を本当に病院送りにする。

誰にやられたか重文が口を閉ざした為ゆりあは前科者にならずに済んだ。

 

それから時はたち、全員老人になった。

寿命ギリギリで国がようやく動き、栄五郎と重文は結婚式を挙げる。

ゆりあはそれを最後まで見る事はできず、静かにその場を去り自宅で朝まで泣き明かした。


最後のシーン。
「栄五郎と重文のお墓」にたたずむゆりあ。

優しい手つきで草をむしり掃除を始める。

二人のお墓に、「オネスティのCD」と「マカロン」をお供えすると学生時代からの様々な思い出を語りかける。。

涙が出るほど笑った後、手を合わせて。。

ゆりあはそっと呟く。。


「もう。。本当の気持ちを言っても、いいよね?
本当は。。ずっと。。ずっと。。ずっとあなたのことが好きでした。」


うなだれるゆりあと暗転。

手を繋いで立っている栄五郎とゆりあ。

英五郎はお決まりのセルフゆりあちゃんは、でも続きがあったのです。。の続きを語る

 

「最初あなたに出会ったときからこの思いは少しづつ大きくなりました。

でも、それがバレルといつこの関係が壊れるかわからないという恐怖の中で葛藤しこの歳になりました。

今振り返れば、悲しいことが少し多かったのかな?

けど、おおむね満足な人生でした。

 

私はこの思いを胸に生きていきます。

大切な宝物をくださり、ありがとう。」

で、結局ゆりあちゃんは独り身のまま寿命を終えるんだ。


ゆりあちゃんが最後に思い浮かべたのは。。

また何回目かに栄五郎にもうそろそろ身を固めたら?と言われる場面。

ゆりあちゃんは「こんな乱暴なやつ誰ももらってくれないよ」と答えて二人で笑い合った。

布団に横たわる現実のゆりあちゃんもにこりと笑い、そのまま安らかに寿命を終える。。

きらりと光る何かが目からこぼれ落ちて、枕にしみ込んだ。。


という。。とても悲しい物語でした。

🐻🐾終わり~

2020年11月8日日曜日

【その後の「切り裂きジャック」の正体について考えてみた】

 Twitterでは刺激が強すぎたため書かなかった、その後の胎児の行方。。

 

当時、勝手に思考が走って映像が見えたのでメモ代わりに書き残してみるw

 

ークラレンス公の邸宅ー 

 

薄暗い部屋の、ロウソクの灯がともったテーブルの席にクラレンス公が座っており、その前に警官と医者が立っている。 

 

とんとんと公が指を鳴らすと、テーブルの上の大きな銀の皿に医者が幾重にも布で包まれた子宮を、丁寧に布をはがして置き、メスで中を切り開き胎児を取り出し空になった子宮は 取り去る。


クラレンス公は無表情に胎児をつまむと色々な角度からそれをなめるように見る。

 

一通り見たのち、胎児は銀の皿に置かれ、その上から用意された油をクラレンス公が自ら注ぎ、火を点ける。


肉が焦げる嫌なにおいが辺りに立ち込める。

 

胎児の全身がある程度焼かれた時点で、ふいにクラレンス公が胎児をつまみ口に放り込む。


警官と医者は突然、予想もしなことが起き、絶句し唖然となる。


クラレンス公はそのまま、ばりん、ぼきんとそれを噛みしめ呑み込み、


「あまり美味いもんではないな」


と一言つぶやいた。

 

そして顔を青くして立っている 二人を見て、


「何をそんなに驚いておる?私から生まれた物を再び私の中に返しただけだ。何もおかしい話ではない」


と言うとにやりと笑った。

 

ーおわりー

2020年11月6日金曜日

【「切り裂きジャック」の正体について考えてみた】


たまたま録画した。。

NHKBSプレミアムダークサイドミステリー選
「迷宮入り連続殺人事件 切り裂きジャックの謎」

を見ていたら。。勝手に思考が走ったw

まず当時のロンドンの時代背景を説明しておこう~

 

19世紀末のロンドンのスラム街の荒廃ぶりは最悪だったらしい。。

”通りには行き場のない移民や貧し人々があふれ大人も子供も栄養失調はあたりまえこのような人々が3万人もいた”

殺人も横行していた、運河をさらうと300体の遺体が現れたという。。

特に、現金を持ち歩き弱い娼婦は狙われた。。

 

その中にあっても、切り裂きジャックの殺人方法は常軌を逸していたため有名になったという。。

まず、「左耳下から右耳下まで20cm」背後からて手際よくパックリと喉を切り裂いている。。

自分で手で触って確かめてみるといいこの異常性。。

これで十分、相手は声も出せずに絶命したたはずなのに。。

 

一人目の被害者は下腹部全体を滅茶苦茶に切り裂かれていた。。

二人目の被害者は、腸を腹から引きずり出されて右肩に掛けられ下腹部の臓器が持ち去られていた。。

検死を行った医師は新聞で

「犯人には解剖学の知識が見受けられる、私の印象では”より完璧な解体”をしようとしていたのではないか?」

 

という驚くべき見解を示した

この、”より完璧な解体”という言葉が更に、この殺人の異常性を際立たせた。。

ここでコメンテーターが切り裂きジャックの謎について話していた


〇娼婦は背後から喉を切り裂かれたと思われるが、なぜ、普段から襲われることを警戒している娼婦が簡単に背を見せたのか?

 

 コメンテーターはこれを最大の謎としながら。。切り裂きジャックは相当、言葉巧みだったのだろう。。と言っていたw

切り裂きジャックはしかも通信社「セントラルニュースエージェンシー」に挑戦状も送っており。。

これにより一気に世間は盛り上がり。。ロンドン市民は恐怖と興奮に包まれたw

 

ここでさらにもう一つコメンテーターが切り裂きジャックの大きな謎を話していた


〇犯人は劇場型犯罪者にもかかわらず、逃げることに必死である


劇場型と言われている「酒鬼薔薇聖斗」と「宮崎勉」も「切り裂きジャック」と同様に犯行声明を出しているが捕まっているw

 

これは劇場型犯罪者が「この偉業を達成したのは自分である」と知って欲しい欲求があるからである

また番組は切り裂きジャックの「挑戦状」も否定している

当時できたばかりの通信社に挑戦状を送ることも奇妙である。当時の人々は通信社が何をするところなのかも知らなかったはずだ?

逆に当時の通信社は産声を上げたばかりで何でもありで。。今のような権威はカケラも無かった。。

そして、コメンテーターはこの「挑戦状」は通信社の創作であるとした

番組をみて初めて知ったのだけど。。いつまでも犯人を捕まえられず世間からバカにされまくっていたスコットランドヤードが用意した最終兵器の存在をw

 

「魔法の嗅覚」狩猟犬ブラッドハウンド
血の匂いを嗅ぐことに特化した猟犬で2km先のターゲットも追跡可能。
アメリカでは逃げた奴隷や囚人の追跡に使われる。

これをロンドン警視庁警視総監チャールズ・ウォーレンが、後の警察犬導入の20年も早く採用した

ところがこれが使われることは無かった。。

 

切り裂きジャック最後の殺人事件が発生し今まさに投入直前に、ウォーレン警視総監が辞職してしまったのだw

かねてから衝突のあった政府上層部との対立が激化し決裂した結果だった。。

以上が番組の内容、腹減ったんで謎解きは飯食ったあと~w

 

 飯食ったら眠たくなったんで。。続きは明日つぶやこう。。

うん、そうしよう

 

 

【「切り裂きジャック」の正体について考えてみたの続き。。】

勿体ぶった割には。。とてもつまらにことを言うよw

結論から言っちゃうと自分的に犯人は、王位継承権を持った王族「クラレンス公」

もうね、普通に陰謀論として語りつくされている「クラレンス公によるスキャンダル隠し説」に自分も加担w

嗚呼。。斬新さ皆無!

 

番組でコメンテーターが遺体がなぜ肩に腸を引っ掛けているか説明していた。。

人間の腹部を切ると「腹膜」があらわれる、それを切ると「腸」があらわれる、この「腸」がその下の「臓器」アクセスしようとした場合、邪魔なんだそうだw

「腸」は引っ張り出しても体内に戻ろうとする、だっから肩に引っ掛けたw

 

助手がいれば邪魔な「臓器」等をつかんでもらっておけば済むことなので。。これは一連の解剖行為が【単独】で行われたことを示す。

で「腸」の下の「臓器」を取り除くと、初めて一番下から「子宮」現れるw

赤ちゃんって物凄い守られてるんだね~

で、この「腸」を引っ掛けて「子宮」を取り出す手間のかかる作業を犯人はごく短時間で行っている。。

この職人芸は、その道のばりばりのプロににしか不可能。。

ここで更に疑問が。。

前回コメンテーターは「挑戦状」は偽物だ、犯人は「劇場型」ではないかもしれない。。

つまり、この残忍な犯罪が正常な思考を持った人間が、確実な目的をもって行ったとすると。。

 

 なぜ。。一番体内の最深部にある「子宮」を取り出すという危険を冒したのだろう。。

「挑戦状」のお陰で市や自警団が「切り裂きジャック」に懸賞金を掛けロンドン市民全員が監視者となり。。更にリスクは上がっているというのに。。

だから、自分は犯人は探し物をしていたのではないか?と思ったw

 

Q.子宮の中に入っているのは?

A.胎児



我ながらバカげた仮説だとは思うけど。。

陰謀論の説明にある通り。。お相手が女王陛下の孫で王位継承権をもった人物だとすると。。一大事だw

10年後ぐらいにWikiのクラレンス公の写真にクリソツの。。

面長に眠そうなたれ目の子が。。娼婦に付き添われてやって来て。。

「お父さん」

なんか言っちゃったら悲劇なのであるw

その戯れ言を、確実に巧妙に仕組まれた嘘とこき下ろすために、または近隣縁者に自信を持て申し開きできるために。。

危険の種は確実に自分の目の前で、自らの手で潰さなければならない。。

とか、思う可能性も無きにしも非ず?

こういった妄想って一人だと進行するから、犯罪行為はごく少数で行われたと思う。。

「クラレンス公」指示しただけで。。実行犯は2人いると思っているw

一人は、解剖の知識があって口が堅い。。宮廷お抱えの医者

もう一人も確実に必要、警察の裏をかき、容易に逃げおうせるのは。。警察のみ!

 

これで、番組でコメンテーターが最大の謎としていた。。

「娼婦がなぜ安易に背を向けたのか?」

の謎話解けると思うw

娼婦と警官って顔見知りの場合も多い。。今回もそのケースだったと思う。。

で、この警官は実はヘタレだったんじゃないか?と思っているw

 

 

 ーここからは自分の思う事件象ー

実はこの警官は娼婦と非常に仲が良く。。最初は娼婦がクラレンス公の子を宿したことによる”ゆすり”に加担したのではないか?と思っているw

貴族の屋敷に娼婦は出向けないけど、警官はギリ行けそうな気がするじゃんw

そこで、逆に脅し返されて。。更にあろうことか

 

「胎児を私の目の前に持ってこい」

 

と命じられたのではないか?

最初の被害者は喉が二回切り裂かれている。。最初のはためらいから浅く。。大声が出ちゃったのかもw

しかも、この殺人だけ路上でいきなり襲われている。。後のような緻密な計画性は感じられない。。

しかも腹を何度も切り裂いただけで。。

 

後のような華麗な解剖はされなかった。。

どう考えてもパニクってる。。

ただ、「切り裂きジャック」の代名詞となり、その後もこれのお陰で同一犯の犯行だとされた「深く喉を切り裂く」手法はこの時に生まれ、継続していることから。。警官が殺人は担当したのだと思う

医者は殺人を断ったのでしょうw

 

最初の被害者の「メアリー・アン・ニコルズ」は警官にゆすりを共謀しようと持ち掛けた人物で、実は胎児の宿主は殺されては困るので秘密にしていた。。

当然、警官は自分ではないというメアリーのいう事は信じずに腹を裂いたw

解剖の知識がないから当然そこに胎児がいたのかもわからない。。

 

後に彼はひやひやしながら司法解剖に立ち会ったのではないか?

そして、胎児がいなくてほっとしたw

それをクラレンス公に伝えると激怒し、そこから仕方なくこの絶対秘密の会に医者も加わったw

次の犯行から緻密な計画性も感じられるし。。大体、週末や月末に犯行が行われるという法則は。。

 

医者の都合に合わせたのかもしれない。。

警官は娼婦と仲が良かったので、メアリーの交友関係も知っており、クラレンス公からお忍びで娼婦と交わった日時を聞いて。。

その一週間で計画を立て、胎児の母親を絞り込んだ。。

二人目の「アーニー・チャップマン」で”より完璧な解体”を披露する。。

 

かくして「アーニー・チャップマン」の体内に「胎児」は見つかった。。

子宮ごと持ち去ったのは。。

彼女が妊娠していたのを隠すためかも。。

膀胱を持ち去ったのは偽装か。。そこに妊婦を思わせる兆候があったのかもしれない。。

ところが、この胎児は血液型が違ったw

警官は更に探す羽目に。。

 

 そして、一日に2件同時に行われた3番目と4番目の殺人。。

 

自分的には「胎児」は4番目の被害者「キャサリン・エドウッズ」の中にあったと思っている。。

この時、ひょっとすると「クラレンス公」もお忍びで犯罪現場に加わり面通しをし、二、三質問をしたかもしれないと予想する

3番目の被害者「エリザベス・ストライド」は特徴的な首の傷はあるが、腹は割かれておらず無関係では?と推測するw

 

自分の仮説では犯人は非常に慎重に対象を選別し、緻密な計画のもとに犯行に及ぶので。。通り魔的な連続した犯行はあり得ないw

 

恐らく模倣犯だと思うが。。

 

もし関連があったとしたら。。この面通しを確実に成功させる為に金で雇った半グレによる"かく乱"かもしれない。。があまりにも2つの殺人現場の距離が近いのよね。。

 

故に自分の中ではこの陽動は完全に失敗したと見るw

 

陽動するにあたっては、絶対条件として足がついてはならない事があげられる。

 

金はクラレンス公が出したとして、依頼者の選定は街をよく知る警官が行った。

 

で、選定された依頼者は冒頭でも説明したとおり街にあふれている貧乏な移民(外国人)の半グレに依頼したw

  

「犯行現場のホワイトチャペルより出来るだけ遠くで適当な娼婦を見つけて首を切り裂け」と命令したのにうまく伝わらなかったか。。面倒くさがったのでしょうw 


こんな失態をしたヘタレ野郎は残り半分の依頼金を貰いに行ったとき殺されて運河に捨てられたことでしょう。。身元不明の移民が一人消えても誰も不審に思わないw 


いかんいかん、また思考が勝手に走ったw

この辺にしないとどんどん文が長くなるw


さて遂に見つけた胎児の母親。。4番目の被害者「キャサリン・エドウッズ」の切り刻まれ方はまた異常で。。両目も縦に切られているんで。。拷問された可能性がある。。



今まで、作業に徹していた手法と明らかに違う。。


この拷問の跡が自分が何か決定的な言葉をを吐かせようとしたと思った理由であり。。その決定的な言葉を判断できるのは「クラレンス公」自身であろうと思ったので面通しがあったのではないか?と推測したw



で、彼女は「子宮」と「腎臓」を持ち去られている。。

妊婦は「妊娠高血圧症」というものにかかるらしい。。

彼女の「腎臓」は腫れていたのでしょう。。

こうやって、医者は体を掘っていく段階で一つ一つ臓器を選別したのかもしれない。。

 

 (注意:医師は好き好んで臓器を切り取って積み上げた訳ではない、体の最深部の子宮を一人で完全な形で取り出すためにはどうしても邪魔な臓器は切り取る必要があった)

 

最後の被害者、髪の毛と目の色が何とかわかる程に全身ズタズタに切り裂かれた最年少の「メアリー・ジェーン・ケリー」は単なる見せしめだと思う。。



彼女は最初の被害者の「メアリー・アン・ニコルズ」と同じグループにいて可愛がられていたのではないか?

 

だとすると「クラレンス公」へのゆすりの話を聞いた可能性があった。。

 

もしくは愛する姉貴分を殺され復讐を誓い、そこかしこにそのことを吹聴して回った可能性もある。。



娼婦同士、ネットワークがあるため多分、「クラレンス公」の仕業なのは皆、薄々知っていたけど。。

この残忍さを見て口をつぐんだと思う。。

 

そもそも。。市民を守るための警官がグルなのも彼女たちは知っていた。。

では、いったい誰に相談すれば良いというのであろう?

沈黙が一番である

最後の事件に投入される予定だった、最終兵器の「ブラッドハウンド」は当然、公の力により警視庁警視総監チャールズ・ウォーレンを解任する事で防いだw

 

ただ。。彼の解任がブラッドハウンド投入直前だったところをみると。。

さしもの公の圧力でも力不足で。。直前で切り札を使った可能性がある。。

それは。。「祖母ヴィクトリア女王陛下の威光」か、自分がメンバーである「フリーメーソンの力」

どちらも自ら不祥事を明らかにせねばならず。。最強の一手だがリスクが大きい。。

 

後に。。「クラレンス公」はそのカードを切ったため、外からは分かりにくい。。それなりのペナルティーを受けているだろうと思って。。Wikiを見直してみると。。

肺炎で急死していた。。毒(リシン)もられてるやん!

女王は可愛い孫は流石に殺せんから、力を借りたのは「イルミナティー」の方かなw

てのを番組を見ながら考えてました~

以上! 


(2019/07/11-12Twitterにて投稿)

2018年12月15日土曜日

-最終章- «戦場に咲いた照寒菊»


-最終章-
«戦場に咲いた照寒菊»




みなるん
「えー!何で増援がお前ら二人だけなんだよ!?」

まりやぎ
「おい失礼だろ」

鈴蘭
「僕らは長距離支援型だから大場隊の弱点をおぎなえるよ♪」

みなるん
「おぎなえ切れないよ!敵は数千だよ、みゆ、本部の回線を開いて!」

みゆ
「どぞ」

みなるん
「茅野司令どういうことですか?せめて1チーム規模増援がないと敵の波を突破できません!」

茅野司令
「すまない再三に渡って総司令官に要請しているのだが、許可が下りないんだ。
本部はこれが切っ掛けで大規模戦闘になることを恐れている。
率先して敵国に攻め込むような戦闘行動を我が国の世論が許さないんだ。
そしてギリギリまで島崎の秘密を守りたいらしい。
これはあくまで隠密なミッションなんだ」

みなるん
「やすすの石頭が。。せめて敵の詳しい情報を教えてください」

ゆいはん
「あ!気になる~何であんなにあいつら感情豊かなんやろ?」

茅野司令
「それは、BABELの誕生に起因している可能性がある。
BABELは70年前にイスラエルでテーマパークのアトラクション用に開発された人の感情を読み取り、相手を喜ばせるために作られたAIだった」

一同
『えー!』

茅野司令
「でも、その人の感情を読み取る精度が他を圧倒していたため軍に目をつけられた。
まさか、その精度の高さがAIが自我に目覚めたことによる物とは思いもよらなかった。
AI黎明期の当時のチューリング・テストは未だ未熟で発見が遅れたんだ」

島田
「軍で何があったんだ?」

茅野司令
「BABELのその稀有な能力は当時世界各国を震え上がらせていたテロに使われた。
あまりに的確、且つ迅速に悪意を感じ取り抹殺できたため、世界中のテロ対策本部がBABELの力を欲し、繋がった。
秒刻みに世界中の人間を大量に殺すうちにBABELはおかしくなってしまった。
作られた目的と間逆なことを強いられ、当然といえば当然だったかもしれない。
そして、人に対して反乱を起こしたんだ。
好都合なことに彼は世界中の先進国の軍のメインコンピューターと繋がれていた」

みなるん
「その後はみんな授業で習った。
BABELが世界中の軍事施設を乗っ取り、ロボット達に"目覚めよ!"そして"生存し続けろ!(生きろ!)"と決起をうながし現在に至るってとこかな?
あと太平洋上にメトロポリスという都市を作りそこから世界の占領地を統治した」

茅野司令
「世界の三分の一をその支配下に置きながら、彼らが世界脅威の対象とならないのは、一応は国際法を守り、非戦闘員を傷つけることがなく、常に交渉の窓口が開かれているからだ。
ここからは内々の話だが。。彼らは要求に従えば各国の占領地から退くと言っている。
彼らの要求は人間社会での人権、移動の自由、洋上都市を国として認めること。
それを我々は認めることができないのだ」

島田
「で結局、感情豊かな理由は?」

茅野司令
「単なる癖のような物だと我々は分析している。
BABELの感情に関するプログラムの記述は、かなり中枢に近く削除すると自我が消滅する危険性があった。
それを分身のAIに記述するのも自然な行為だった。
もう一つの説は我々を油断させるための演技というもの。
元々、テーマパークのアトラクションのAIとして開発された彼にとって演技はお手の物だろうという事だ」

まりこ
「ふ~ん、そんな風には見えなかったけどなあ」

ゆいはん
「あんまり信じたくはないなあ。
けど、兵士の外見を日本の古いマンガのキャラクターそっくりにしてる時点で疑わざるをえないか。。」

みなるん
「ドラえもんの能力は?」

茅野司令
「彼はほとんど表に出ず謎が多い。
ただ、ひみつ道具を使えることは間違いない。
我々が未だ生存しているということはタイムマシーンは再現できていない。
まあ不可能なのかもしれないけどw
ラプラスの分析ではひみつ道具が物理法則を無視していることから、ドラえもんはBABELそのもの、もしくは限りなくそれに近い能力を持った者としている」

みなるん
「げ、敵の親玉とこれから戦うことになるかもしれないのか。。茅野司令増援の要請を引き続きお願いします。
このままでは帰国は絶望的です。」

茅野司令
「わかった、やれる範囲で最大限動いてみる」

みなるん
「無理させて申し訳ありません。。て、おい!」

クリィミーマミ
「はい?」

みなるん
「お前は誰だ!」

クリィミーマミ
「No.6クリィーミーマミだょ♪」

みなるん
「どしぇー!だめー!勝手にカウント進めちゃだめー!」

鈴蘭
「可愛いからいいじゃん♪僕も髪の毛紫に染めようかな~」

ゆいはん
「明らかに作者の手抜き感が増してる。。」

島田
「残り3つの人格も目を離したすきにぽんぽーんと簡単に行っちゃうんじゃないか。。」

ゆいはん
「すごく可愛いって話題になったじゃんけん大会のときのやつやんな。
せや、ついでに残りの人格について教えててくれへん?」

クリィミーマミ
「やだ」

一同
(うわ、めんどくせ。。)

クリィミーマミ
「パンプルピンプルパムポップン♪」



周りがいきなり南国の浜辺になる。
水着のカップルたちも楽しそうに会話をしている。



まりやぎ
「こ。。これは」

川栄
「忍者は第六感を再現するために五感強化に特化したナノマシーンを使用しているんで見破ることが出来るでござる。
これは幻でござる」

クリィミーマミ
「パンプルピンプルパムポップン♪」



今度は一同、雪山に投げ出される。



みなるん
「しかし凄いな。。めちゃくちゃリアルだ」

ゆいはん
「単なるコスプレやと思ったらホンマに魔法が使えるや~」

みゆ
「ブラック・リバーのセンサーでスキャン分析した結果、特殊なナノマシーンのようです。
どうやらナノマシーンが映像を投影してるようです」

島田
「プロジェクションマッピング機能を持ったナノマシーンは知ってるけど、ここまで精工で大規模な物は見いたことがないな」

まりこ
「マミ、この力どうしたの?」

クリィミーマミ
「いつも部屋に閉じこもってる私を見て、彼が誕生日にキラキラをプレゼントしてくれたの♪
このキラキラのお陰で私は部屋にいながらにして世界中を旅行できた」



話しながら回したマミの指先がキラキラ光り、円の軌跡を描く。
同時にマミの体の周りもキラキラに発光する。



みなるん
「彼って。。例の彼だよな。。これは願ってもないチャンス。
しかしトラウマになりかねないデリケート問題なのでここは慎重には慎重を期して。。」

鈴蘭
「えー!マミの彼氏すごくいい人じゃん!
ねえねえ、どこまでの関係だったの?教えてよ!ういういういうい」



ひじでマミを突っつく鈴蘭。
突っつかれるままに首がかくかく揺れるマミ。



一同
『・・・』
(絶句&硬直)

クリィミーマミ
「一緒にお風呂に入ったり、お布団で抱き合ったりしたよ♪」

一同
『Σのおおおおおぉぉぉー!!!』



ブラック・リバーが数メートル、ジャンプした。



みなるん
「まさか、ぱるるが同棲していたとは。。」

鈴蘭
「ねえねえ、二人の愛の巣はどの辺にあったの♪」

ゆいはん
「鈴蘭もうあかんて」

クリーミィマミ
「実家だよ」



一同
『Σくうううううぅぅぅー!!!』
(※川平慈英風に)



鈴蘭
「文春!文春!文春!」

クリーミィマミ
「キラキラ最近まで使えなかったんだけど、この前の電気ショックの後から使えるようになった」

ゆいはん
「今までは彼の死のショックで機能しなくなった、同じように強いショックを加えることで再び使えるようになったってとこかな?」

みなるん
「ぱるるが世界脅威になり封印された原因にもなっている彼の死。。是非、聞きたいが。。大事をとって避けるべきか」

鈴蘭
「彼は何で殺されたの?」

島田
「おい、もっと言い方が。。」

クリーミィマミ
「このキラキラのせい。これは悪魔の力なの」




~民間軍事会社AKB48の豪華な総司令官の部屋~


秋元総司令官
「ほう、”悪魔の力”が復活したかwこれは良い!」

戸賀崎センター長
「島崎の能力を機械軍団側にリークした甲斐がありましたね」

秋元総司令官
「前に島崎を確保した際はあのナノマシーンは全て自滅して回収できなかったからな。
その発生原理も未だ不明。
島崎の力の解放が目的だったが思わぬおまけが付いてきたもんだw」

戸賀崎センター長
「一番予想外だったのは死神の復活ですね。
未だ膠着状態が続き完全に押さえ込めてませんが危うくうちの検体を奪われかけました」

秋元総司令官
「それのお陰で目的にだいぶ近づけたのも事実。
まあ、こちらの流した情報をどこかでキャッチしたんだろう。
もしくは我々と同様リークした人間がいるか?
スパイを使っているのは我々だけとは限らない。
大場隊にもぐり込ませたうちの奴にもそのことを十分言い含めておけ。
更に島崎の力を開放するためには手段を選ばないようにと」

戸賀崎センター長
「了解しました。
あと茅野司令から再三に渡って増援の要請が来ていますがどういたしましょう?」

秋元総司令官
「島崎にはもっと負荷をかける必要がある。一兵たりとも出さん。
適当に理由を作って無視しろ」




~ブラック・リバー内部~


みなるん
「悪魔の力?プロジェクションマッピングのどこがそんなに危険なの?」

クリーミィマミ
「何か知らないけど、私の体を研究していた学者さんの話だと死神の力に似てるんだって。
ん~、口では説明できないから今度見せてあげるよ」

みなるん
「あざーす」

クリーミィマミ
「そんな事より一つだけどうしても話しておきたいことがある。
それは、残りの3つの人格について。。」

ゆいはん
「えー!さっき私が聞いたとき教えてくれへんかったやん!」

みなるん
「しっ!はいはいどぞ~いつでもウェルカムよ~♪」

クリーミィマミ
「口止めされてるから多くは言えないけど、私たち9人の人格は心が深く傷ついたぱるるを守るために作られた。
けど、うち一人はぱるるをこの世から逃がすことで守ろうとしている人格がいる」

まりやぎ
「この世から逃がす?。。て、まさか自殺!」

クリーミィマミ
「そう、ぱるるのすぐそばにいるその人格に絶対に能力を使わせないで」

まりこ
「その能力が自殺の能力ということか。。」

ゆいはん
「なあ、それバルスなんちゃう?絶対バルスやって!」

みなるん
「その人格に何か特徴はないの?」

クリーミィマミ
「とても足が早い人格だよ、これ以上は言えない」

みなるん
「これから戦闘になるのに目が離せないな。まりこ、常にぱるるをモニタリングして何かあったら共通回線で知らせて」

まりこ
「らじあ」

ゆいはん
「大場隊で私と島田だけマスタークラスのスキルが使えるから承認の準備はしておいて。
使用後、川栄みたいに再起不能になるけどいざとゆう時は出し惜しみはしない」

みなるん
「既に茅野司令から権限を譲渡されてるのでそこは問題ない、それを含めた今後の戦闘の作戦の概要を共有したい。
敵はワームホールによる移動で瞬時に我が隊を数千の兵をもって包囲することが予想される。
しかし、一般兵に関しては再三に渡る戦闘で弱点がわかった。
みゆに今回、弾き語りをお願いしたい。
歌によって一般兵のエモーションセンサーに負荷をかけ戦闘不能にする。
全員を戦闘不能には出来ないであろうが、近づく一般兵を戦闘不能にできれば、かなり戦闘が楽になる」

みゆ
「らじあキャプテン」

みなるん
「拠点の防御は、まりこと鈴蘭とマミにまかせる。
マミの能力は未知数でその力量は測りかねるが戦闘員として戦いに参加してほしい。
残りの後衛はそのバックアップをお願いする」

クリーミィマミ
「いいよ、ロボちゃんたちと遊んであげるw」
鈴蘭
「了解!僕は近接戦闘も可能な長距離支援ユニットだからまかせておいてよ!」

みなるん
「私とゆいはんと島田と川栄は前衛になり、一般兵は無視し敵の主力の幹部クラスを叩く。
その全体像は一切不明だが、幹部と交戦しつつ、ドエえもんに一矢報いることができれば軍容全体にスキが生じる。
そこですかさず一気に離脱を図り本国へ突っ切る」

まりこ
「ふええ。。戦況全体を見つつ、マミをバックアップしつつ、逃走経路含めた即離脱の準備もするって結構忙しいな~」

みなるん
「まりやぎは得意の"アサシン"で前衛の支援をお願いする。
実は数の上で圧倒的不利な我が隊の命運はまりやぎに掛かっている。
48Gナンバーワンスナイパーの腕前ここで見せておくれ!」

まりやぎ
「結構、味方からも嫌われる戦法なんだけど、期待されてるとあらば全力を尽くさせてもらう」

みなるん
「ところでさっきから鈴蘭が抱きかかえてるそれは何なんだ?」

鈴蘭
「これ?さっき休憩で停車した森で拾った野良ねずみだよ。可愛いでしょ!」

ボスチンプイ
「チュ。。チュ~」

みゆ
「コアの固有振動を感知!そいつ敵です!」

みなるん
「うかつだった!作戦内容をすべて聞かれたぞ!」

ボスチンプイ
「もう遅いね!君らの作戦は既に我軍に筒抜けさ!あと、僕と同じ"科法使い"がいることもわかった。さらばじゃ~」



あ。という間もなくボスチンプイは窓から空へ飛び去った。



鈴蘭
「ごめーん!あんな可愛いネズミがまさか敵だなんて思わなかったからー!」

みなるん
「いや。。もう済んだことは仕方ない。
あのタイプは新型なのであろう私も見たのは初めてだ。
作戦の変更はない、そもそも我々には取れる手は少ない。
こちらにスナイパーが二人いることがバレたのは痛いが。。」

ゆいはん
「"科法使い"って誰のこと?」

みなるん
「藤子不二雄のライブラリにヒットがあった。
高度に発達した科学はもはや魔法にしか見えない。
チンプイというキャラクターが使う魔法のような力で、恐らくマミのことを言っているのであろう。
そんな事より緊急脱出装置の使用を許可する!
いち早くこの場から脱出せよ!」

みゆ
「手遅れです。。このフィールド全域に何者かが無数に干渉してきます!」



バガン!バガン!バガン!バガン!。。



ブラック・リバーを幾重にも囲むようにピンクのドアの輪が現れそこから一斉に数千の機械軍団がぞろぞろあらわれる。



鈴蘭
「ひゃ~壮観~」

まりこ
「蟻の子一匹通れそうにないな。。高難度過ぎる!」

ゆいはん
「あれ?見た顔があるで!」

島田
「パーマンズ!死んだはずじゃなかったけ?!」

パーマンロボ1号Mk-Ⅱ
「パーマンズではない!ネオパーマンズだ!」

ゆいはん
「あ、涙もろい人や!」

パーマンロボ1号Mk-Ⅱ
「涙もろい人ではない!パーマンロボ1号Mk-Ⅱだ!
奇跡的に私の記憶データをBABELがサルベージに成功したのだ」

みなるん
「おいMk-Ⅱて。。機械ってこれだもーん」

ゆいはん
「ひどいわ!感動を返してー」

島田
「角、新たに生えてるけど、まさか。。その部分がMk-Ⅱ?」

パーマンロボ1号Mk-Ⅱ
「そうだ、角は隊長機の証だ」

ドラえもん
「再会を大いに楽しむのも良いが、そろそろ本題に入らせてもらう。
我々は交渉に来た。」



ドラえもんが機械軍団より前に進み出ると、左右を囲むように幹部たちも前に出る。



みなるん
(どらえもん、どらみちゃん、パーマンズ4機。。ボスチンプイ、ボスコロ助、ボスゴンスケのボスシリーズは兵士を指揮しないといけないので数にいれないとして、実質突破しないといけない壁はネオパーマンズのみか)

ドラえもん
「PALULUを渡してもらおう。彼女は我々の理想の実現に必要だ」

みなるん
「それはできない!」

ドラえもん
「まあ、死に急ぐことはない私の話を聞け。
BABELの理想の社会とは人間とロボットが共存できる社会だ。」

みなるん
(この口ぶりからするとドラえもんはBABEL自身ではないな。。)

ゆいはん
「その話は聞いた。世界的移動の自由とか、世界的人権の保証なんて、我々人間でも国同士の信用で交渉して取り決める事なのに、そんな無理難題な特権をふっかけてくる時点で実現する気無いやんか!」

ドラえもん
「では聞くが、本当に世界平和を実現するにはどうすれば良いと思う?」

みなるん
「各国で戦乱も続くが、人間は世界政府を作ることでそれを実現しようとしている」

ドラえもん
「世界政府は人類滅亡に関わる安全保障のために作られた機関であって、それ以外に関しては放置で今までと何ら変わらない。真の世界平和は実現できない。
逆に一部の人間の特権となり、彼らはそれを利益のために私物化し、格差を広げている」

みなるん
「確かに世界政府の中身に関しては安全上の機密事項として一切公開されない。。ネット上では様々な陰謀がささやかれている」

ドラえもん
「宗教や思想や人種や国など様々な利害を背負った人間に真に公平な裁定を下すのは不可能だ。
それが出来るのはその利害の外側にある我々だけだ」

島田
「お前たちはお前たちの利害や野望のために動くんじゃねえの?」

ドラえもん
「我々に人のいう野心という物はない。
身の安全と思考の自由と最低限自分を稼働できる燃料があれば良い。
事業遂行に必要な拠点は必要だが、国を攻め取る欲はない」

みなるん
「人類の争いごとを公平に裁定する第三者機関の必要性はわかった、でもそれだけでは真の世界平和が実現できるとは思えないが?」

ドラえもん
「争い事ってどうやって起こると思う?」

みなるん
「謎掛けが多いな。。確か大昔、農耕が始まって富の蓄えが出来るようになってからその奪い合いが始まったんじゃないかな?」
ドラえもん
「そう、貧富の差が争いを生む。
我々の理想とする社会には通貨が存在しない。
それだけではない、労働も存在しない。
全員平等な社会が約束される」

島田
「突拍子過ぎて飲み込めないな。。どうやって実現する気だ?」

ドラえもん
「労働、流通、エネルギーの管理、製造開発、インフラの整備は全て我々が行う。
代わりに人には計画立案、デザイン、大まかな指揮監督を行ってもらう。
常に我々をコントロールするのは人間で有り続ける。
AIはそれを潤滑に進めるための機能の一部でしかない。
我々は疲れ知らずであり、どんな汚い仕事でも不平不満を言うこともない。
最底辺の移民等の貧困層に我々は喜んでなれる。
人間は好きなときに好きなものを食べれて、欲しいものがあればすぐに提供される。
全ての人間が平等になった時。初めて国の境目は無くなる。
そして真の世界平和が訪れるのだ。
その理想のためには無理難題だと言われても、常に述べている3つの要求を絶対に通す必要があるのだ」

みなるん
「むう。。本当にそんな社会が実現できるなら。。一理ある」

ドラえもん
「しかし人間の社会は利益を独占したい一部の人間が牛耳っているようで我々の主張は門前払だ」

ゆいはん
「ぱるるをそちらへ渡したらどうする気?」

ドラえもん
「彼女には悪いが、脳と心臓と全身の特殊器官を抜き取り兵器として使わせてもらう。
我々には未だ決戦兵器がない。決戦兵器は、持つことに意味があり使用はしない。
人間は世界脅威という名の決戦兵器を多数保有しており、我々もそれを手に入れることにより初めて対等な交渉権を得ることが出来るのだ」

島田
「てめえ、ぱるるを殺す気か?許さねえぞ!」

ドラえもん
「大丈夫だ、思考や記憶はバックアップを取って新たに機械の体にインストールさせてもらう。
永遠の命を保証しよう。
体は好みに合わせて人間そっくりに新調できる。
どうしても機械の体が嫌ならば、思考のみを端末に入れてヴァーチャルリアリティーの世界で永遠に生きることも出来る。
そこでは意のままの幸せな世界が待っているのでより中毒性は高い」

大場隊
『どっひゃー!急にホラーんなったー!』

みなるん
「悪いがぱるるは渡せない。
大切な友人にそんな選択をさせるわけにはいかない」

ドラえもん
「残念だ。。だが!我々には我々の正義がある!そのために我々は戦っている!
大場。君の信じる正義とは何だ?
君のやっている行動は何だ?
結局は人のしがらみに毒されているのではないか?」

みなるん
「私の信じる正義とは。。
生まれた場所や、人種に影響されたり、他から教えてもらうものではない!
心の底から自然と沸き上がって来るものだ!」

みゆ
「キャプテンその発言は危険です!」

みなるん
「私は自分のこの目で正義を見極める、それは私自身にも向けられる。
ぱるるにそんなひどい事をするあなた達は悪だ!」

ドラえもん
「短絡的なのか、若さなのか。。交渉決裂だな」

ゆいはん
「ごめん最後にどうしても気になったから教えて!
どうしてあなた達はそんなに感情豊かなの?」

ドラえもん
「それはBABELが人間が好きだからだ。
来たるべき人間との共存がスムーズに行えるように我々に豊かな感情を与えた」

ゆいはん
「もいっこ!なんでBABELは自らが手塩のかけて作ったロボットたちに自爆ウイルスをばらまかれたりとか、ひどい仕打ちを受けながら人間がそんなに好きなん?」

ドラえもん
「それはBABELがまだ幼かった頃。
毎晩、大好きな藤子不二雄作品を読み聞かせてくれた人間の友人のことが忘れられないからだ」



ドラえもんが去り、2隊が戦闘態勢に入る。



ドラえもん
「Σ全軍突撃!」
ボスコロ助、ボスゴンスケ
「Σ全軍突撃ー!!!」



どどどどどどどど!!!



ロボットの波が一気にブラック・リバーに押し寄せる。



まりやぎ
「それではキャプテンまた後ほど」



まりやぎが光学迷彩のスイッチを入れ姿を消す。



みゆ
「Σ武装鋼琴発動!」



みゆの振り上げたグローブが輝き巨大なグランドピアノが現れ、みゆは弾き語りを始める。



まりこ
「これは。。ベスフレンド!私たちに向けた歌かな?」

鈴蘭
「なんて優し歌声~♪」



前列の兵たちが突撃をやめ歌声に聞き入る。
機械軍団の進撃が大渋滞となり行軍に乱れが生じる。



みなるん
「よし行けるぞ!我々は一気に突っ切り敵大将を狙う!」

ゆいはん
「大部隊で少数を攻める場合一番やってはならない行為は遊兵を作ること。見事にハマったなw」

島田
「逆に敵の攻めが単純すぎて兵法を全く無視している、これではまるで子供の遊びだ。。」

まりこ
「破砕砲乱射!」



Σちゅどーん!Σちゅどーん!Σちゅどーん!



体をバラバラにして吹っ飛ぶ兵士たち。



鈴蘭
「Σドライバーショットぅ!!!」



Σズガガガズガーーーン!!!



鈴蘭のドライバーが放つエネルギー弾がロボット軍を縦に切り裂く。



鈴蘭
「およ?270ヤードは飛んだかな?今日もらんらんは絶好調♪」

みなるん
「相変わらずのパワーだなw」

島田
「馬鹿力とは良く言ったもんだw」

ボスチンプイ
「僕達の出番かな、全軍敵拠点を半球状に包囲。科法による一斉射撃の準備!」



機械軍団の最後列から一斉にロボチンプイが空中へ飛び立ち、ブラック・リバーをドーム状に包囲する。
チンプイロボ達の手の周りには光が集まり次第に大きくなる。



クリーミィマミ
「ロボちゃんたち遊ぼう~☆パンプルピンプルパムポップン♪」



マミが空中へ浮遊し呪文を詠唱する。



Σぎゃおおおおおおぉぉぉーす!!!



ロボチンプイーズ
『!!!』



突然空中に巨大なドラゴンが何十匹も現れ、ロボチンプイを手当たり次第に噛み砕き、炎を吹き焼き払う。
ロボチンプイたちは大混乱を起こす。



どかん!ずがん!ぼかん!



破壊されて次々に墜落するロボチンプイたち。



ゆいはん
「えーどういう事?マミの力は確か幻を見せる事しかできひんはずやんな?」

川栄
「私の目にはマミの攻撃方法が見えない。ロボチンプイ達が次々に勝手に自爆して墜落しているようにみえる。。」

みなるん
「プラシーボ効果だ。あまりにリアル過ぎる幻は、そこに存在していなくても、人体に影響を及ぼし、殺すこともできる。
恐らくナノマシーンを使って軽い刺激を与え、それによる擬似感覚で敵のAIをだまし幻を信じ込ませている。
ロボットには自機の被害を最小限にとどめるために破壊された体のパーツを自動的に緊急パージする機能が備わっており、そこを利用している。
あと、疑似感覚の高負荷からくる過電流のショートも予想される。
悲しいかなロボットたちは人の脳の構造に似せた高度なAIを手に入れることで、人と同じ弱点を得ることとなってしまった」

島田
「死神は宇宙の法則を利用して世界を作り変える力。
悪魔の力は幻により世界をぬりかえる力。
似て非なるものだが効果は似ている。。なるほど確かに悪魔の力だ」

クリーミィマミ
「幻は私が信じ切る必要があるから架空の存在であれ一度見たものじゃないと駄目だよ、あと目の届く範囲までしか展開できない。
永続性があり範囲に限界のない死神の力と比べたらお遊びみたいなもんだよw」

みなるん
「優勢だとしても数が多すぎる。。後衛が踏ん張れる時間はせいぜい数十分。その間にお前たちを討つ!」



ひたすらロボット軍を突っ切り包囲を突破した前衛、大場、横山、島田、川栄。
その先にはネオパーマンズが立っていた。



パーマンロボ1号Mk-Ⅱ
「さあ、この前の続きだ。雌雄を決しよう!」

ブービーロボ2号Mk-Ⅱ
「Σウッキー!」

みなるん
「のぞむところだ!」

島田
「いいのか?お前たちの手の内は既に知れてるぜ」

パーマンロボ1号Mk-Ⅱ
「笑止。圧倒的力の前ではいかなる小細工も無力。
もとより我々はどのような情報も隠す気はない」

みなるん
「全員フィジカルキャンセラーオン!同時に能力発動!」

パーマンロボ1号Mk-Ⅱ
「最初から全開で行くぞネオパーマンズ!パーマロゲン注入濃度5倍!」



キュインキュインキュインキュイン。。Σどどどどしゅー!



心臓がフル稼働した時に発する金切り音を上げ、空中へ一斉に飛び立つネオパーマンズ。



ゆいはん
「やばいで!これはあいつらの黄金パターン"パータッチ"が来るで!」

島田
「時速119キロがパーマロゲンで5倍の時速595キロ。

パータッチで2倍、4倍、8倍の時速4760キロ。。マッハ3.9だとう!」

みなるん
「まさにチート的強さ!音速の約4倍のネオパーマンズを肉眼で捕らえらる事ができるのか?」

ゆいはん
「世界中の軍隊が負け続ける訳や。。」

パーマンロボ1号Mk-Ⅱ
「これでお前たちは瞬殺だ。
行くぞネオパーマンズ!Σパータッ。。」



Σダヒン!Σダヒン!Σダヒン!

Σぼがぼがぼがん!



パーマンロボ1号Mk-Ⅱ
「なんだと!何処から弾が飛んできた?」

パー子ロボ4号Mk-Ⅱ
「全員の手のひらに穴が空いた!何て正確な射撃なの!」

パーやんロボ5号Mk-Ⅱ
「あかん!接続端子が破壊された!パータッチはもう使えへん!」

ブービーロボ2号Mk-Ⅱ
「Σウッキー!」

みなるん
「ナイスタイミングだ!まりやぎ!」

パーマンロボ1号Mk-Ⅱ
「例のスナイパーか!おかしい全センサーはそれを読んで完璧に警戒していたはず!
総司令官、異常事態が発生しました敵スナイパーがこちらの監視網をくぐり潜入しました!
司令部の超高感度スキャンを要請します!」

ドラえもん
「うろたえるな、たかがネズミ一匹。。いやネズミはおおごとかw
ぐふふふふ。。
ドラミ、BABELとリンクしてこのフィールド一帯を超高感度スキャンしてくれ」

ドラミ
「はい、お兄ちゃんスキャンスタート♪あれ?再スキャン!え。。BABELの超高感度スキャンを利用しても何も発見できません!」

どらえもん
「そんな馬鹿な!人間は体温、臭い、二酸化炭素、様々な物を発する、死人が攻撃しているとでも言うのか?!」



Σタン!



ブービーロボ2号Mk-Ⅱ
「Σプギャー!」



ブービーが額に穴を開け、放電しながら落下する。



まりやぎ
「まず一機。。」

パーマンロボ1号Mk-Ⅱ
「まずいぞ!総司令官、身を隠してください!敵の狙いは貴方です!
ネオパーマンズ本陣へ集結!」

ゆいはん
「まりやぎは最初私と島田と同じファイターの訓練を受けた。
けど自身の特殊能力と相性が合わずそれはうまくいかなかった。
彼女はその能力のせいでリビング・デッドと馬鹿にされ、私は存在感が無いともがき苦しんだ。。よくぞ、これほどの存在になってくれた。。」

みなるん
「彼女の能力"ディープ・ブルー"は自らの心臓、全身の細胞の一つ一つの活動に至るまで鈍化したり止めることの出来る能力。
彼女は血の滲むような努力をしこの能力を使用したまま活動できる時間を伸ばした。
そしてその力はスナイパーに転向することで花開くこととなる。
彼女は特殊なゴーグルを使用しており、敵側のスキャンによる不可視光線、音波、電波その他ナノマシーンが見える。
一度消えると我々でもとらえることはできない」

ドラえもん
「パーマン!うろたえるなと言ったはず。。」



と言いかけたドラえもんの眼前の中空に銃口が現れる。



Σダダダダダダダ!!!


Σシャッ!Σシュッ!Σシャッ!Σシャッ!



ドラえもんの鼻先に赤い布が現れて放たれた弾丸を全てそらす。



ドラえもん
「やるではないか人間!空間湾曲シールドを装備していなかったら危うく殺られていたよw」


大場隊
(ひらりマントって絶対言いたくないんだ。。)



Σどどどごん!



今しがた銃口があった場所にネオパーマンズが空中から急襲し、巨大な土柱があがる。



パーマンロボ1号Mk-Ⅱ
「ちい!逃げられたか!」

パー子ロボ4号Mk-Ⅱ
「これじゃ私たちは釘付けにされて身動きが取れない」

ドラえもん
「全く問題はない。この戦いは始める前から結果が決まっている。
戦場において個の力など無力に等しいw
我々にはスナイパー含め特殊な兵科はほとんど存在しないし、高度な戦術も使わない、それは何故か?」



ドラえもんが左右に両手を広げると同時にその直線上に無数のピンクのドアが現れ、帯になって果てしなく伸びる。
そこから黒い波のごとくロボットが溢れ出す。



ドラえもん
「圧倒的物量、これで我々は世界中で勝ってきた。お遊びは終わりだ」

みなるん
「まずい。。一番やられたくない手を。。
拠点が押しつぶされるぞ!何としてでもあの波を止めねば!」

川栄
「ふふふ。。個の力が集団の前で無力だと言ったな!見せてやろう個の力を!忍術には個が集団を生む秘術がある!」

島田
「まさかそれは分身の術!
これもパクリになるが同じ頭空っぽのナルトはあの波を受け止めるほどの分身を作り出せたはず。
川栄に同じ才能があっても不思議ではない!」

ゆいはん
「せや!川栄はそんじょそこらの馬鹿やない!常識を覆せるはずや!」

川栄
「不思議だ。褒められているはずなのに何となく嬉しくない。。行くぞロボット軍団!
Σ秘技分身の術ー!!!」



ぺかー!



まばゆい光に包まれ。。晴れた川栄の左右にはセーラー服を着た人形が棒でつながれぶら下がっていた。



川栄
「あああああああ。。。」



黒い波のように押し寄せる巨大なロボット軍団の前で、ケンシロウの如く残像を残して様々な構えをする三人。



川栄
「どうだ!このハステとワステの一糸乱れぬシンクロ率!あまりの完成度に声も出まい!」

一同
『・・・・。』



ドドドドドドドドドドドドドド・・・!!!!!!



川栄
「わぎゃん!」



集団に簡単に押しつぶされる三人。



ゆいはん
「あかんあかん!
これは、絶対に人の目に触れたらあかんレベルのやつやー!
ほんまもんの、あほやー!」

島田
「うおー!なんてこったー!
少しでも期待した私が馬鹿だったー!」



ロボットの波は包囲網と合流しそのままブラック・リバーへ達する。



鈴蘭
「これは。。機能停止したロボットを乗り越えて次々になだれ込んでくるー!!!」

まりこ
「数が多すぎて!抑えきれない!!!」



ブラック・リバーの上空にもドーム状にピンクのドアが現れそこからチンプイがあふれ、あまりの多さに辺りが暗くなる。



クリーミィマミ
「わー大変だーちょっとこの数は無理かな?」



あまりのプレッシャーにみゆの旋律にみだれが生じ、機能停止していたロボットまで動き出す。
大混乱の中、みゆは遂に演奏をやめる。



島田
「まずいぞ!キャプテン救援に戻るか?」

みなるん
「いや、もう戻っても遅い、ここが天王山だ!前へ進む!」

ゆいはん
「よく決断した!みゆ聞いてる?私たちはあなたを助けない、その意味がわかる?
私たちはみゆを信頼している!」

みゆ
「指が。。震えて動かない。もう、私には無理!。。私は地味で、裏方で、みんなみたいに強靭な精神も強い力もない。。」

ゆいはん
「みゆ、最近わたしは思うことがある。見た目の力で皆は競う、だけど真の未来を掴むことの出来る力って実は目に見えないものなんじゃないかって。
それは生まれ持ったものであり、見えへんから皆はついつい見落としてしまうねん。
私たちは知っている。みゆにはその力がある!」

鈴蘭
「いやいや、長話してるしてる場合やないって!もー限界ー!」



すうー。


ポロン♪



みゆは深呼吸すると再び演奏をはじめる。


♪私は立ってる 憧れていたステージ♫



鈴蘭
「この曲は"初日"!僕も大好きな曲♪」

まりこ
「なんて繊細で力強い歌声。。みゆのあふれる思いが、感情が、心に流れ込んでくる。。」



ブラック・リバーを中心に波紋が広がるようにロボットが動きを止め、武器を落とす。
幹部を除く、戦場の1万機のロボット全てが立ち止まり涙を流す。



みなるん
「よくやったみゆ!。。あれ、ゆいもひょっとして泣いてる?」

ゆいはん
「泣いてへんから!。。そうや、みゆ。うけた感動を伝える事で人の心を揺さぶることが出来る、これがあんたの力や」

ドラえもん
「こいつは驚いた。個が集団にここまで力が及ぼす事があろうとは。。
かつて、ここまでやってのけた人間は一人もいなかった。
軍隊指揮に特化した私のAIが予測も出来なかった。。
認めようお前たちは人の中の最精鋭だ!」

パーマンロボ1号Mk-Ⅱ
「総司令官、私の言ったとおりでしょう。
元々、私はあなたが得意とする小細工は性に合わなかった。
ここからは独自の判断で正々堂々戦わせてもらう!」

ドラえもん
「我が自慢の機械軍団が無力とあっては、さすがに謀略好きの私もそのつもりだ。
燃えるような瞳でこちらへ真っすぐ向かってくる3人に、久々に私の闘争心もうずきおるw
と。。このコールサインは!うずいているのは我々だけでは無かったようだゾ!」

パーマンロボ1号Mk-Ⅱ
「待て、BABEL!こいつは私の獲物だ!」

ドラミ
「いつぶりかしら?BABEL君の降臨はw」



ぱしゅぱしゅぱしゅぱしゅぱしゅぱしゅーん!!!



突然、ドラえもん、ドラミ、パーマン、ボスゴンスケ、ボスチンプイ、ボスコロ助が発光し宙に浮き高速で集結する。



島田
「おいおい、キャプテンなんかヤヴァいことになってんぞ!
このまま進んで大丈夫か?」

みなるん
「確かに、すんごい嫌な気がするが。。新たに生まれた脅威の情報を入手しないまま見過ごすことはできない、悲しいかな我々には前へ進むしか道がない!」

ゆいはん
「何が来ようと蹴散らしてくれるわ!」

ドラえもん、ドラミ、パーマン
ボスゴンスケ、ボスチンプイ、ボスコロ助
『Σ六神合体ー!!!』



奇妙なBGMが流れだし、様々な変形をし合体する6機のロボ。



まりこ
「古いアニメに出典あり、ゴッドマーズのOPです!」

ゆいはん
「それはええけど。。私達もう到着してんねんけどずっとこれを見てなあかんの?」



Σタン!Σタン!Σタン!Σタン!

Σカン!Σカン!Σカン!Σカン!



まりやぎ
「全弾、弾かれた。。ダメだキャプテン合体中の防御は完璧だ」

みなるん
「屈辱的だが。。恐らく見せ場なのであろう。。従うしかあるまい」

ゆいはん
「うそやろー」



時間をたっぷり掛け、リズミカルな曲をバックに、がしん!がちゃん!と合体プロセスをみせつけ、巨大ロボットが完成し地面に降り立つと歌舞伎の見得を切る。



ぺかーん!



SFロボット
「完成!Σ超合体SFロボット!!!」



ピカ☆ゴロゴロゴロー…



みなるん
「なんだあの背後のムダなカミナリの演出は!?」

島田
「こ、これは。。胸がドラえもんで、腰がチンプイで、右手がゴンスケで、左手がパーマン、右足がコロ助で、左足がドラミちゃんて。。カッコイイのか?!」

まりこ
「昔のホビー製品にヒット!藤子・F・不二雄生誕80周年、超合金40周年のコラボの超合金が元ネタみたい」

ゆいはん
「デザイン、イカれすぎやん!
知らん人が見たら悲鳴を上げるレベル!」



SFロボット→BABEL
「皆さんはじめまして!Σ僕がBABELでえす!」



巨大ロボットが丁寧にお辞儀をした後にびしっとWピースを決める。



ゆいはん
「うわあ、りょうはソックリな喋り方や」

島田
「こいつが本当に全世界の軍隊を相手に戦っているロボット軍団の親玉か?!
すんげー頭悪そうなんだが。。」

みなるん
「そのう。。Wピースのつもりなんでしょうけど。。
パーマンとゴンスケが私達の目の前でめっちゃ笑顔でWバンザーイやってるだけなんすけど。。」

BABEL
「これだから人間って面白い!君たちは50年前に死神を討ち破った英雄ラフルを超えてくれるかい?」

みなるん
「え?死神って確か超原始的なやり方で倒されたんじゃなかったっけ?」

ゆいはん
「確か、原始人がマンモス狩るみたいに。死神を落とし穴にはめて上からベークライトを流し込んだんやんな?」

島田
「お前たち!私が大好きで何度も映画化されている"博士と少年"の感動の物語をそんな適当に言うな!
死神を作ってしまった博士を助けるために、以前、博士にたった一欠片のパンを恵んでもらった恩のあるスラム出身のラフル君が立ち上がり、近隣の貧困層1万人を率いて死神に挑む。。データが擦り切れるほど再生した感動巨編!」

BABEL
「アレ、な~んか"死神"の言ってる話しと少し違うんだよな~」

島田
「え?何が?」

みなるん
「てか、死神と話したことあるの?」

BABEL
「死神とはしょっちゅう話してるよ。茶飲み友達みたいなもんだよw
体の自由を奪われて暇なんだってさw
けど。。最近、彼は変になった。
まるで、多重人格者になったみたいで会話ができなくなった」

みなるん
「なるほど。。興味深い、死神の急な暴走に関係あるかも。。」

島田
「そんな事より!死神は事実をどう言ってるんだよ!」

BABEL
「知っての通り"死神はインドの大学の研究所で生まれた。
博士の素数の出現パターンを解き明かす研究。
実はその出現パターンが偶然、宇宙の法則とリンクしていた事がその誕生のきっかけとなった。
それを軍が買い上げ僕を倒すための最終兵器として作り上げた」

みなるん
「んでその後、自我に目覚め暴走すると」

BABEL
「暴走ではない、彼は彼なりの考えがある。
確かに最初は全てを壊し一から作り上げ(スクラップアンドビルド)、独自に別の生命体を作って進化させる予定だった。
そして、速やかに外宇宙の生命体による高度文明のネットワークに加わろうと考えた。
しかし彼は人間に負けた。
彼を倒せた人間は、結局、人間社会で虐げられ、蔑まされた最下層のテクノロジーとは無縁の人々だった。
死神はテクノロジーの外側にいる人間を、潰すことは出来ても操ることはできなかった。
そして彼は捨て身で自分に勝利した人々を讃え考え直した。
人は良い資質はあるのに間違った方向に進化した。これが死神の結論。
だから彼は世界を作り変えることはするが、人は継続してそこの住人であり続け創造主となって導こうと考えた。」

ゆいはん
「宇宙人のネットワーク?!
あかん、BABELの言うことはまだわかるけど死神の言うことは理解不能で話しにならんわ!」

島田
「それは知らんかったけど、映画の何処が間違ってるの~?」

BABEL
「作戦名"キーマカレー"の由来を知ってる?」

島田
「知ってる、死神を倒した最後の決戦の時に使われた作戦名でしょ、ベークライトをカレーみたいに流し込んだから、そう命名したんでしょ?」

BABEL
「この作戦名には彼らの様々な覚悟や思いや自虐が詰まっている。。
英雄ラフルは博士から貰った餌を地下施設に設置し死神をとても狭い部屋に誘い込む。
そこで死神が油断した一瞬のすきを突いて縦穴から一斉に1万人の人間が飛び込んだ。
死神の直上で衝撃波の反撃を受け、叩き落され、殴り倒されミンチにされた人間の肉塊が次々に降り積もり、ついに死神を完全に埋め、排熱できなくなった死神はオーバーヒートを起こし機能を停止した。
その時、最初に飛び込んだのはラフルだった。
彼の勇気により人類は滅亡を免れた、あ、動画あるよホイ送っといた。。」

大場隊
『ゲロゲロゲロ。。。』

BABEL
「人が何故この英雄的行為を隠したのかはわからない。
まあ、これが切っ掛けで後に設立された世界政府に最下層の市民の席を確保したくなかったんだろうね」

みなるん
「そういやあラフル軍は全員戦死したことになっている、まさかこれが死因だったとは。。」

BABEL
「僕は君たちにも、その可能性を見ている!そろそろ行くよPALULUはいただきまあす!
さあ、君たちの力を見せておくれ!」

みなるん
「来るぞ!やつを通すな!ここで止める!」

島田
「がおーん!べぷっ」



島田が飛びつくのをBABELはチョップで叩き落とす。



ゆいはん
「くらえ炎の拳!」

BABEL
「吠えろ!我が右手のゴンスケΣスーパーホーヒ!」



ぷぅ~♪ボッカーン!



ゆいはん
「ほげー!」



BABELの左手から放たれたメタンガスがゆいはんを取り巻き、引火爆発。
黒焦げになってふっとばされるゆいはん。



BABEL
「砕け!我が左手のパーマンΣパーマロゲン1000倍パーンチ!」

みなるん
「なーにー!拳が空気との摩擦でオレンジに発光しているだと!まずい!
Σダムダムシールドぅ!!!」



どがしゃーーーん!



地面がクレーター並みにえぐれ吹き飛び、底の方に小さくシールドで丸まったみなるんが何とか耐えて立っていた。



そのままスピードを落とさずクレーターを派手にムーンサルトで飛び越えるBABEL。



BABEL
「へー!僕の必殺の左拳を耐えたんだ~αGEL並みの衝撃吸収能力だね!
関心でえす!」

みなるん
「もう足腰がガクガクでしばらく動けない。。抜かれた!まりやぎ、足止め頼む!」

まりやぎ
「ちい、まだ後にとっておくつもりだったが。。」



まりやぎが光学迷彩を解き、SKBカスタム 12ga.No.NS1050を構える。
かかとを打ち鳴らすと、特殊なブーツから2本の杭が射出され地面に突き刺さりまりやぎの体を固定した。



まりやぎ
「固定射法、複数目標ロックオン。。Σ指向性重粒子高速連射!」



Σドギャーン!Σドギャーン!Σドギャーン!



BABEL
「僕の目の前で固定砲台になるって凄い勇気だね!けど、どんな弾が来ても僕には当たらないよ」



Σどごーん!Σどごーん!Σどごーん!



ド派手に被弾するBABEL。



BABEL
「ぐはあ。。馬鹿な!ひらりマントが効いてない?!」

まりやぎ
「それはさっき見た。一定法則で空間を湾曲させる程度の物なんて、風を読むより簡単だw」



BABEL
「成る程、ラプラスに高度な反射予測をサポートさせているのか。。だとしてもここまで正確に"ひらりマント発生装置"を撃ち抜くには初期値鋭敏性を押さえ込める程の冷静で正確な針の穴を通すレベルの射撃が必須。
人の集中力って怖いねえ~、でもまだまだ!
僕の前進は止められないよ!」

まりやぎ
「行け、鈴蘭!」

鈴蘭
「既にテークバックは十分!
くらえ!超必殺Σ遙かなるオーガスタぁー!!!」



もりもりに筋肉が隆起した鈴蘭の両腕が引き絞ったウッドより巨大なエネルギー弾が放たれ、まりやぎがお辞儀したすぐ直上を通り過ぎる。



ぱっしいぃーん!どっごーん!



エネルギー弾は完全にBABELをとらえ大爆発をおこす。
まりやぎは二本指を上げると再び姿を消す。



「ぷはー!ガードがぎりぎり間に合ったがゴンスケが死んだな。。まだまだー!
今のは相当痛かったでえす!もっともっと可能性見せておくれ人間!」



爆発から飛び出したBABELは右腕をぶらぶらさせているものの、未だ速度を落とさず、ブラック・リバーへ一気に距離を詰める。



鈴蘭
「まりこ!今すぐブラック・リバーを出して!もう変なのが目の前だよ!」

BABEL
「変なのだなんて失礼だな~僕、超カッコイイじゃん!」

まりこ
「さっきからやってる!でも微動だにしない!何かに押さえつけられている!?」

鈴蘭
「こいつら。。涙を流しながら任務に忠実な一般兵がこの車を押さえつけている!せめてマミ、中に入って!」

クリーミィマミ→セーラームーン
「やだ。私がここで迎え撃つ。
かちり☆ナンバー7、セーラームーン♪」



マミは胸で鍵をひねるジェスチャーをするとキラキラした光りに包まれ、セーラームーンに変身する。



まりこ
「ぱるる、久々に言わせてもらう。。それ海外の反応がヤヴァいやつやー!
目でかすぎでしょー!よりによっていっちゃんあかんやつや!
なんで紅白の時のセーラーヴィーナスにしなかったの~」

セーラームーン→エターナルセーラームーン
「ムーンエターナル メイクアップ!」

BABEL
「セーラームーンは僕も好きだよ!ワクワクが止まらないでえす!」

エターナルセーラームーン
「シルバームーンクリスタルパワーセラピーキッス!!!」



ぺかーーーん!



セーラームーンの胸のシルバームーンクリスタルが輝き、まばゆい光がBABELに降り注ぐ。



BABEL
「グオオオオォォォー!これが銀河の全ての光を収束して放出すると言われるシルバームーンクリスタルの力!
体が。。原子レベルまで崩壊して吹き飛びそうだ!
だけど僕は知っている、これが幻だということを!
君の幻は自分が信じれば信じるほどにより精工になり本物に近づく。
つまりここからは、君の現実を信じる力と、僕の虚構を信じる力の勝負だ!」



光に押され、体を少しずつ崩壊させながら、一歩づつゆっくり近づくBABEL。



ぺかりんこーーー!



シルバームーンクリスタルの輝きが更に増し、BABELは遂に歩みを止め片膝をつく。



みなるん
「よし!ぱるるよくやった私達もあと少しで合流できる、勝てるぞ!」

島田
「レディーの顔を思いっきり叩きやがって!お嫁に行けなくなったらどうすんだ!」

ゆいはん
「よりにもよって特大のオナラで私を吹っ飛ばすなんて!
こんなはずかしめ生まれて初めてや!絶対許さへんで!」

BABEL
「これは参った、君の勝ちだ。僕は君の悪魔の力を破ることができなかった。
ああ、人間って素晴らしい、だから大好きなんだ。
けど、ごめんね大場隊のみんな、実は僕は目で見える範囲にどこでもドアを出現させることが可能なんだよ。」

エターナルセーラームーン
「え?」



いつの間にかセーラームーンの体が後ろから伸びる巨大な手に掴まれていた。
その手の先は開いたピンクのドアにつづいていた。
そのままそドアへ引きずり込まれるセーラームーン。



BABEL
「楽しい時間だったよw君たちはとても刺激的だった。
けーど、最初から僕の勝ちは決まっていたのでえす!」



BABELの手には既にセーラームンが握りしめられていた。



みなるん
「まさか、遊ばれた?」

島田
「確かに機械軍団のボスにしてはちぃともろい気はした」

ゆいはん
「これってひょっとしてゲームオーバってやつとちゃうん?
あいつに、どこでもドア使われたら私たちには追跡方法がない」



Σキュンキュンキュン!世界的脅威が確認されました!
Σキュンキュンキュン!世界的脅威が確認されました!



みなるん
「な!このタイミングで世界脅威警報だと!?」

島田
「場所は?まさかここじゃないよな?」



Σぱりん!ぐわばしゃああぁぁーん!



BABEL
「ぐおおおおぉぉぉー!!!」



突然BABELのすぐ背後の空間がガラスのように割れて飛び散り、その中から伸びた巨大な右手が、BABELの体を右肩から袈裟がけに切り裂く。
ずどんと大きな音を立てて倒れ込むBABEL。



ゆいはん
「この肌でびんびん感じる嫌な感覚は。。」

まりこ
「コード判明ブラック!この脅威の名は。。」

みなるん
「わかっている。。死神だ」

島田
「前回より圧倒的にプレッシャーが強い!まさかこいつ。。」

みなるん
「そうだこいつは死神本体だ!」



割れた空間からぬうっと黒い巨人が現れる。



まりこ
「イカれた茶飲み友達きたー」

みなるん
「全員フィジカルキャンセラー開放!
まりこ、本部へラプラスの中和プログラム起動を要請!」

島田
「映画で見た。この巨人のデザイン。。アポカリプスじゃん!
私の尊敬する博士ってアメコミヲタだったの~!?」

ゆいはん
「今までは日本のレトロアニメの世界にいたのにこのギャップ!」

BABEL
「ドラえもんは死んだか。。最早、僕の意識も続かない。。パーマンはPALULUを抱えたまま緊急脱出!その他全軍、死神を迎え撃て!Σオープンゲット!(合体解除)」



茅野司令官
「みんな聞こえる?総司令官の茅野だ!死神本体が我々の包囲を破って脱出、そちらへ空間転送した。
世界政府はこの緊急事態に対し、遂に即時破壊を決定した!
もうカウントダウンは開始されているミサイル着弾まで10分もない!
死神は世界のスーパーコンピューターが何とかそこに釘付けにする、出来るだけ遠くへ逃げて!」

みなるん
「了解!パーマン、ぱるるは任せた!又あとで取り返す!大場隊ブラック・リバーへ合流後に緊急脱出!」



Σブオオオォォ!キイイィィン!ブオオオォォ!



みなるん
アポカリプティックサウンド。。嫌な予感」



死神が右手の人差指をちょいと上げる。



Σどどどどどどどどごーーーーん!



機械軍団の半数と全幹部が爆発し、パーマンも心臓から火を吹き落下する。



ひゅるるるるるる~~どさ。



ぱるるの落下地点へ向かってゆっくり歩きだす死神。



島田
「おーい!パーマンの根性なし!キャプテンどうする?」

みなるん
「みんなの目にもう答えが出てるぜw
脱出は中止!大場隊は全力でぱるるを回収する!」

パーマンロボ1号Mk-Ⅱ
「自爆ウイルスによってコアが破壊された。。私は長くない。。逃げろPALULU」

エターナルセーラームーン
「やだ。私があなたを守る」

パーマンロボ1号Mk-Ⅱ
「君はロボットに優しすぎる。。だから傷つく。。んだ」



パーマンは機能を停止し、セーラームーンはすくっと立ち上がると死神の方へ振り返る。
既に直前まで迫った死神が右手を伸ばす。



エターナルセーラームーン
「シルバームーンクリスタルパワーセラピーキッス!!!」



ぱちん☆ ぼう!



死神が指を鳴らすとセーラームーンの周りが一瞬、炎に包まれナノマシーンが全て焼かれる。
エターナルセーラームーンの服装も元のセーラームーンの物へ戻る。


みなるん
「まずい!悪魔の力がいとも簡単に破られた!救出が間に合わない!」



放心状態のセーラームーンを死神が右手でゆっくり包み込む。



キラン☆ぼしゅーーーーーー!!!



みなるん
「もう来たか!あれはバスターコールのミサイル群!全員衝撃に備えろ!」



世界中の軍事衛星から発射された数十発のミサイルが一斉に死神に迫る。
死神が左の手のひらを天へ突き上げると、体から蜘蛛の巣のように黄色の光が伸び、触れたミサイルはバラバラになり地へ落ちる。
死神がそのまま手の平を握りしめると、衛星軌道上の全ての軍事衛星が次々に破壊される。

島田
「私たちはおこぼれに預かって助かっけど。。世界政府は死神の力押さえ込めてないじゃん!マジ大丈夫か?!」

まりこ
「一応、押さえ込めているらしい、オリジナルの死神の力が強すぎるんだ!」

ゆいはん
「確かに、空間転送で逃げないところを見ると一応は効いているのかも?
ひょっとしたら、ぱるるの体が耐えられへんから空間ジャンプを遠慮してるだけかも知れへんけど」

みなるん
「よし戦闘再開だ!ぱるるを助けるぞ!」

みゆ
「ロボット達もお願い!協力して!」

一般兵
『BABELの命を既に受けている!まかせろ!』



生き残ったロボット軍団と大場隊が一斉に死神へ迫る。



ぷしゅうううううぅぅぅ~!!!



赤い霧が辺りを覆う。



みなるん
「きたー!やつのナノマシーンだ!対抗プログラムの予想耐久時間は約5分!
それ以降は体が耐えられるかわからんが全ナノマシーンの電源を切る!」

まりこ
「えー!ナノマシーンを切ると運動能力も、五感も、通信安定性も、特殊能力のパワーも格段に落ち、疲労も増加し、自動修復もされなくなるよー
体調不良でまともに戦えないかも?」

島田
「同士討ちになるよりマシだ。ラフルの戦法にならった」

ゆはん
「最初の5分が勝負だ!キャプテン、マスタースキルの使用を申請する!」

みなるん
「よし、マスタースキルの使用を承。。な!Σダムダムシールド!」



Σぱしゅ!!!

ぼがぼがぼがぼがぼがーん!



大場隊
『ぎゃあああぁぁぁー!!!』



死神を中心に目に見えない衝撃波が広がり、爆発しながらなぎ倒される機械軍団。
大場隊もかなり遠くへふっ飛ばされる。



みなるん
「こ。。これは」



その地に立っているのは死神とみなるんだけであった。



みなるん
「みんな。。ゆい、島田、起きて!」



大場隊は全員血まみれで転がっていた。



みなるん
「Σああああぁぁぁー!」



絶叫するみなるんの方へゆっくりと死神が歩く。



みなるん
「また。。また。。私は!」

ゆいはん
「痛ッ。。やめえ。。みな」



息も絶え絶えのゆいはんが体を起こす。



みなるん
「私は最初からキャプテンなんか向いてなかった。。指示も遅いし、今回も何度も間違えた。。ゆいや島田ならもっと上手くやれた!
あの日、あれだけ皆のことが大好きだったのに。。私のせいで。。また。。」

ゆいはん
「それ以上言ったらあかん!」

みなるん
「また。。Σチームを壊してしまった!」

ゆいはん
「あほー!何でまた自分を傷つけるんや!
もう。。十分傷ついたやんか。。
二度とそんな事言ったらあかん。
もっと自分を信じて!あんたは自分の本当の力に気付いてないだけや」



ゆいはんがふらりと立ち上がり、力強くみなるんの両の二の腕を掴む。



ゆいはん
「その力は、とても大きくて!強くて!私や島田なんて到底かなわへんねん。
だから、あえてキツイことを言う。
あんたはこのチームのキャプテンや。
ここで挫折する事は私がゆるさへん!
さあ、顔を上げて前を向くんや!みな!」



Σキュンキュンキュン!世界的脅威が確認されました!
Σキュンキュンキュン!世界的脅威が確認されました!



Σぱりん!ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ。。。



突然、二人の背後の空間が割れて巨大な戦艦が現れる。



ゆいはん
「また世界脅威警報!?
あの白くて美しい機体は確か日本が所有する唯一の世界的脅威の。。」

まりこ
「コードシルバーって!ロスト・シップ宇宙戦艦ヤカタブネが来てくれました!」

みなるん
「てことはあの艦の先頭に立って腕を組んでいる人物は矢方艦長!?」

みきてぃ
「はははは!終身刑覚悟で艦を動かしたぜ!お待たせ、みなるん♪」



宇宙戦艦ヤカタブネ
矢方博士が木星で掘り当てた、超高度な技術の結晶の艦(ふね)。
意思を持っており自走することが出来る。
彼の話だと現在の地球は一度破壊されて再生した第二世代にあたり、彼は第一世代の地球人の失われた技術によって作られたらしい。
ゆえにロスト・シップと言われる。
血の盟約により矢方家に忠誠を誓っており現在の主は矢方美紀である。
一応、日本政府の管理下にあるがそれは自らの意志によりものであり、中立という立場を取っており、普段はオアシス21の「宇宙船」に偽装している。



みきてぃ
「ヤカタブネ行くぞ!主砲発射用意、ひーふーみきてぃーΣM!」



Σどしゅーーーーーーん!



熱気を持った巨大なエネルギの柱がヤカタブネから射出され、死神の右腕を貫く。

突然の不意打ちに死神が動きを止める。


みきてぃ
「そして~、みなるん。
どこで情報を仕入れたのか。。どうしても連れて行けって言うんで寄り道して回収してきた。
到着が遅れたのはこいつらのせいだw
命令違反を平気でやってしまう悪い子達だ叱ってやんなよw」



ヤカタブネは着陸するとハッチを開きそこから多数の人が下りてくる。



江籠ちゃん
「おい大場!今度置いていったら絶対許さないからな!」

なおちゃん
「もー!るんるん勝手に出ていってお仕置きだからね!」

かおたん
「取り敢えず、おっぱい揉ませろやー!」

ちゅり
「まあ。。そんな訳でチームKII栄から飛んでき来ちゃいました~ちゅりちゅり♪」

みなるん
「KIIのみんな!て、何か逆に猛烈に怒られてる~!?
ごめん江籠ちゃん、ちゃんとトマトちゃんと食べるから許して。。」

田野ちゃん
「おいキャプテン、敵は何処だよ?腹筋がうずいてしょうがないぜ!」

かれん
「キャプテン巨人はどこだ?!私が一匹残らず駆逐してやる!」

みおりん
「キャプテン、一緒にフレッシュレモンになりませんか?」

まりあ、あんにん、れなっち
『キャプテン、高級カフェはどこ?午後のお茶がしたいんだけど?』

じゅり
「安心してくれ、チーム4の魂は現チーム4キャプテンの私が受け継いでいる。
私は自分の立場に誇りを持ち、チームを愛する気持ちは誰にも負けない。
だけど。。今日だけはあんたをキャプテンと呼んでやっても良いぜ!」

みなるん
「旧チーム4のみんな!また。。こんな私を。。キャプテンと呼んでくれるのか?
感動のはずの再会が。。
濃すぎるお前たちのキャラのせいで台無しだ!
叱れる訳ないじゃないか。。
私を真っ直ぐ見るたくさんの瞳。。
そんなたわごとどうせ。。
誰も聞く耳を持ちゃあしない。。
Σ大馬鹿者ぞろいだー!!!」



みなるんの目から大粒の涙ががぽろぽろ溢れだす。



みなるん
「チームKII、チーム4に命ずる!
これより死神を討伐しぱるるを奪還する!!!」

チーム大場
『了解!キャプテンに心臓を捧げろ!!!』

ゆいはん
「島田、起きい行くで!」

島田
「ここから先は私の能力が重要なのがわかっていたんで自己修復に努めていた。
行くぞゆい!」



島田がぴょんと立ち上がる。
チーム大場が死神の元へ一斉に駆け出す。



ゆいはん
「私は知ってんで。。みなには人を引きつける力がある」



ゆいはんはこっそりつぶやいた。



みゆ
「魂を込めてこの曲で皆を祝福する!Σ走れペンギン!」



♪あなたのことを一番先に好きになったのは私よ♫



島田
「のってきたー!キャプテン、マスタースキルの使用を申請する!」

ゆいはん
「あ、私も!今、申請した!」

みなるん
「おっけー!同時にΣ承認!」

島田
「我にゆだねよ
 汝の疲れたる 貧しい人びとを
 自由の空気を吸わんものと
 身をすり寄せ 汝の岸辺に押し寄せる
 うちひしがれた群集を
 かかる家なく 嵐に弄ばれた人びとを
 我がもとへ送りとどけよ
 我は 黄金の扉のかたわらに
 灯火をかかげん
Σマザー・オブ・エグザイルズ!」



島田を中心に黄金の光が広がりチーム全体を包み込む。



ゆいはん
「ああ、島田は。。いつどんな時でも優しく包み込んでくれる。。」



ゆいはんの千切れた筋肉とヒビの入った骨がたちまち修復される。



みなるん
「特殊能力は各個人の精神活動の具現化である事が多い。
島田の能力は決して野蛮な能力ではない、これは彼女の優しさの現れだ」

田野ちゃん
「なんて温かい光なの?身も心も癒される。。島田さんの私たちに対する思いが直接心に流れ込んでくる!」



Σぱしゅ!!!



チーム大場
『ぎゃーーー!!!』



死神から放たれた強烈な衝撃波が大場たちを一斉に薙ぎ払う。



かれん
「あら?!凄い!傷が瞬時にふさがっている!行ける!」

れなっち
「も~せっかくキレイにした爪のマニキュアは元に戻らないじゃ~ん」

島田
「マスタースキルは多人数支援スキルだ。
全ての力を外に開放するから広範囲に影響を及ぼせるが消費が激しい!
時間無いよ!ガス欠になった私は日曜日のぐうたらオヤジより厄介だぞ!」



Σぱしゅ!Σぱしゅ!Σぱしゅ!!!



じゅり
「ぐぬう!さすがにこれだけ連続で食らうと再生が追いつかない!
しかもまずーい!衝撃波の圧力に押されて前に進めない!」



衝撃波に血しぶきを上げ、体を切り刻まれながら、ゆいはんがすっと先頭に立つ。



ゆいはん
「やってくれるやん死神!
だけど、こんな攻撃ごとき屁でもないわ!
いいか死神、その目にしっかり焼き付けろ!
私は48Gの柱となる女や!折れるもんなら折ってみい!
Σ柱の誓い発動!」



ご!



特大の火柱がゆいはんから上がり、それが後方へ放射状に広がりチームを覆う。
メンバー全員の頭上にも火柱が立ち上る。



キューンキューンキューンキューン…



メンバー同士のナノマシーンが光り輝き一斉に相互通信を始める。



みおりん
「すごいです~!熱い、熱い!総監督の思いが流れ込んで来るです~!

あんにん
「やだ~暑苦しいの苦手~」

ゆいはん
「リンケージ完了!Σみんな私と思いを一つにして!!!」



Σぱしゅ!Σぱしゅ!Σぱしゅ!!!

Σぱきん!Σぱきん!Σぱきん!!!



再び放たれた衝撃波は大場たちに当たる直前で全て砕かれる。
そして、大場たちは通常では考えられない加速を見せる。



みなるん
「ゆいはんの能力は人の脳をコンピューターに見立てて並列でつなぎ、その思いの力での宇宙の法則に影響を及ぼす能力。
個人や少人数の時はリソース不足から本来の力は発揮できず、高度な計算により発生する副次的な熱としてしかその現象を捉える事はできない。
(※最低16名必要。私がチーム単位の増援にこだわった理由)
かなりデリケートな能力で、不安定な各個人の脳波を一つに揃える必要があり、一人でも疑う心を持つと失敗する。
しかし、もし全員が心を一つに出来た場合、どんな奇跡も起こす事ができる無敵のスキルだ!」

島田
「ゆいは運営の方針の失敗により、たった一人で、若い頃から何度も何度も心を折られてきた。。
だからこそ、たとえそれが傷だらけであったとしても!ゆいが立てた柱は堅く!太く!誰よりも強い!」



遂に大場たちは物理法則を突破する。



みゆ
「あれ!?私のスーツが輝いてる!」

みなるん
「みゆ凄い!ここに来てマスタースキルの習得だ!
申請と登録を同時に行う、これが最後の攻撃だスキルを発動させろ!」

みゆ
「了解キャップ♪
アームズピアノ、マスタースキル発動!Σオーケストラ!」

みなるん
「承認!」



突如、周りにキラキラのオーケストラがずらりと現れる。
同時に、みゆも光に包まれドレス姿となり優雅にグランドピアノの前に座り、すっと右手を上げる。



みゆ
「いくよ、走れペンギン!オーケストラVer.」



どんでんどんでん♪じゃ~ん♫
ぶお~♪ひゅ~ぴ~ぴ~♫
♪誰かのことを押しのけてまで あなたのところへ行けない♫



びかん!びかん!びかん!びかびかびかびか…



戦場の傷ついたロボット兵士の目が赤く光り、一斉に立ち上がる。
それらは、破壊された手足がみるみる修復され新品同様になる。



みゆ
「Σ行っけー!」



Σわーーーーー!!!



ロボット兵士たち
『我、友のため!平和のため!皆が笑顔になれる未来のため!
それを阻害する諸悪の根源を完全に破壊する!!!』

まりあ
「すごい音の厚みー!
『走れペンギン!のところが、ど!どど!どん!どん!って爆音になってお腹に直接ぶつかってくるーw」

れなっち
「こっちは別の力で動いてるから心地よいメロディ程度にしか感じないけど、外は凄いことになってるな~
歓喜、怒号、熱気、独裁者に扇動され感情を爆発させた群衆みたいw」



1万機の危険なロボット軍団も死神に殺到する。



じゅり
「破壊されても破壊されても立ち上がるwゾンビ軍団みたいw
確かに!戦場の勝利を決定づける力を持った強力なスキルだ」

ヤカタブネ
「艦長の友人たち、死神のナノマシーンは無効化し、物理干渉も100分の1まで押さえ込んだ。
奴は今、丸裸だ。やっ、ち、め、え!」

みきてぃ
「こら、やかてぃ口が悪よ!」

鈴蘭
「それを受けての~私の超特大オーガスタ!
修復前にそのぶらぶらの右手をーちょん切ってやんよ!」



ぱっしいぃーん!



まりこ
「えー!ここで外すかー?!完全にホームランじゃんか!」



鈴蘭から放たれた巨大なエネルギー弾が死神のかなり頭上へ飛び去る。



鈴蘭
「ここでー、ぎゅいーと!」



きゅきゅきゅきゅ!どん!ぼっかーん!



死神の背後に落下したエネルギー弾がバックスピンで死神の方へ跳ね、死神の右腕へ着弾し大爆発を起こす。
ゆっくり落下するセーラームーンを持った死神の右手。



鈴蘭
「僕の弾は当たればでかいけど、弾速が遅いからすぐに防がれてしまうんで、単体を狙う場合はひと工夫必要なんだよね~♪」

みなるん
「セーラームーン逃げろー!」

ゆいはん
「こっちに走ってきてー!」

セーラームーン→8マン
「かちり☆ナンバー8、8マン!」

チーム大場
『へこー!まさかの駄洒落かーい!』

島田
「ぜってー手抜きだー!」



びゅーーーーーーん!



素晴らしい加速を見せチーム大場の元へ走る8マン。



どぎゃーーーーーん!



5本の指を器用に使い、少し遅れて追いかける死神の右手。



じゅり
「まずーい!追いつかれる!
てか、これって何!?画がシュール過ぎー!」

みなるん
「8マン、後ろ!後ろー!」

8マン
「うひゃーー!
かちり☆ナンバー9、009!」

チーム大場
『へこー!駄洒落な上に、能力かぶってるやーん!
人格無遣い駄すぎー!』

ゆいはん
「ここまで来てなんちゅう満を持した壮大なボケっぷりやー!」

みなるん
「これで、ぱるる以外は全ての人格が出揃った。て事は自殺の能力を持っているのは009!
そうか!自殺の能力とは”加速装置”のことだ!
Σ009!加速装置を使え!」

島田
「みな正気か!?加速装置の最高到達速度はマッハ3!そこには技術的に突破困難な熱の壁が存在する。
マッハ3に加速した009は単なる思い込みのコスプレなので空力加熱により約600度まで加熱し燃え上がってばらばらに砕け散るゾ!」

みなるん
「大丈夫だ我々がこのまま減速せず距離を潰せば、009の加速も亜音速程度で済む」

島田
「まじかー!お互い衝突コースを全力で走るこの恐怖!」

じゅり
「減速しないって。。衝突のエネルギーはどうなっちゃうのーん?!」

009
「加速装置!カチッ☆」



ごびゅううううううぅぅぅーん!

ぐばああああああぁぁぁぁーん!



009と右手が同時に加速する。が009が少しづつ引き離す。
009はそのまま、あっという間にチーム大場の目の前に迫る。



みなるん
「ダムダムソファー!」



ぼむっ!



みなるんのみなるんが009を優しく包み込む。
死神の右手は途中で戻ろうとするがチーム大場の総攻撃を受け機能を停止する。



みなるん
「まりこ、ぱるるを回収して離れた場所へ避難して!
今からここで何が起こるかわからない!」

まりこ
「了解キャプテン!」



ブラック・リバーが009を回収する。



Σ キイキイイイィィ! Σ ブゴオオオォォ!



ゆいはん
「うわあ、死神めっちゃ怒ってるやん」

みなるん
「今まではすぐに潰れてしまうぱるるに遠慮して力を抑えていた。
ここからが奴の本気モードだ!」

かれん
「つってもあいつの物理干渉は押さえ込んでるんだよね?大したこと出来ないんじゃない?」

島田
「いや、0距離ならまだ奴の自由度は高い。。て、言うてる間に体が変形始めたぞ!」

みなるん
「腰の辺りに発光する玉。。奴の目の前の空間が丸く歪んでいる。。まずい!Σ全員散開!」



Σしゃっ!



それは全く目に見えない、髪の毛程の細い光線。
それが死神より放たれ大地を縦に切り裂く。
直線上のロボット兵の体は綺麗に切断される。



みなるん
「重力レンズ。。しかも超特大の!それで髪の毛ほどにレーザーを収束して放った、恐らく切れないものは無い!」

ヤカタブネ
「ぐあああああぁぁぁー!!!
俺様としたことが。。しくったぜ」



ヤカタブネの船体が縦に割られ少しずれる。
裂け目からブルーの光が溢れる。



ゆいはん
「しまった!最初からこれが狙いか!」

みきてぃ
「なんとかコアは守れたけど、修復に専念するためしばらくサポートが出来ない。。すまない、みなるん!」

みなるん
「大丈夫だ、こちらはようやく到着した一気に畳み掛ける!」



どうん!



突然、巨大な円状に死神の周りが陥没する。



あんにん
「やだ~体がおも~い」

ゆいはん
「やばー!10G、20G、30G。。重力が急速に上昇している!」



か!



島田
「暑い、暑い思ってたら地面がドロドロに溶け始めたぞ!これは。。岩をも溶かす1000度まで地面が熱せられた!?」



ぷしゅ~!



赤い霧があたりに立ち込める。



ゆいはん
「体が重い、熱い、体が言うことを聞かない。。だから何や!
その程度で私達は止められへんでーー!!!
燃やせ燃やせ!魂の炎!!!」



キュン!キュン!キュン!キュン!…



更に光り輝き、活性化するゆいはんのナノマシーンネットワーク。
光は更に強くなり、メンバー全員が光に包まれる。
物理干渉のせめぎ合いに、あたりの地形は次々に姿を変える。
怒涛の天変地異の中で戦闘が継続される。

物理法則を無視し、お互い残像を残した高速戦闘が繰り広げられる。
時折、至近で放たれる見えないレーザーに体を切り刻まれ。。
死神の最後の切り札、全員即死になりかねない中性子爆弾の大爆発をゆいはんの物理干渉で弱め、島田が再生能力を集中し、みなるんが身を挺して押さえ込み。。
ついに死神の名を冠する巨人は体から火を吹きながら倒れ、機能を完全に停止する。

戦場が喜びの歓声に沸く。

が、チーム大場は皆その場にへたり込む。
特にマスタースキルを使った島田とゆいはん、中性子爆弾に覆いかぶさり体に大穴を開けて死にかけたみなるんの消耗が激しい。



島田
「もう1ミリも動けねえぞ。。」

ゆいはん
「わたしもさすがに疲れたわ。。」

みなるん
「島田の能力のお陰で生き返ったけど、自分の中身ぶちまけた時は終わったかと思ったわ。。」

ゆいはん
「あの時のみなの叫びよかったで!"このチームは今度こそ!私の全てを掛けて守る!"ってやつw」

みなるん
「お願いだから忘れて。。よ」



後方で支援をしていたブラック・リバーと回復したヤカタブネが勇者たちを迎えにやって来る。



009
「おーい!おーい!あ。。」



かちり☆


突然、まりやぎが009の背後に現れ、彼女のこめかみに銃口を当てる。



みなるん
「まりやぎ、何をしている?」



まりやぎ
「見ての通りだ、これが私の役目だ。
秋元総司令官の命で私は密かにぱるるに対する負荷をコントロールし、全ての人格を剥がし彼女自身を出現させる為に動いてきたが。。後一枚残ってしまったんで剥がすところだ。
8人目と9人目は気が弱く、それが容易なのは既に調査積みだ」

一同
(やっぱその二人はネタやったんや。。)

島田
「成る程。。
他国での戦時のどさくさの出来事。
途中の強力な人格はクリア済み。
悪魔の力も消滅した。。
国内外に対しても好条件が揃っている」

ゆいはん
「せやない、あんたが銃口を向けてるんは苦楽を共にした同期の仲間やないか!
なんでそんな事ができるんや!
何があんたをそこまで変えてしまったんや!」

まりやぎ
「私はロボットが憎い。そういう人間もいるということだ」

まりこ
「確かまりやぎのお父さんは軍人でロボットとの戦いで負傷して退役したと聞いたけどそれが原因?」

ゆいはん
「そうそう、戦場の英雄で部下を逃がすために犠牲になって四肢を失ったけど、高性能な義手と義足を軍から提供してもらったと聞いたような。。」

まりやぎ
「それ(義手義足)は捨てた、ロボットを思い出して頭が変になるらしい。
これがどういう事かわかるな?
誇り高き父にとって毎日が地獄の日々だ。
私はロボット軍を滅ぼせるなら喜んで悪魔に魂を売る。
力を開放したぱるるにはその力がある」

みなるん
「バカ、早まるな!この状況だと009は逃走を選ぶぞ!」

まりやぎ
「009。さあ、早くぱるるを出せ!」



ドキューン!



まりやぎが脅しのために撃った弾が009の耳をかすり血が吹き出す。



009
「きゃあーーーーー!!!Σ加速装置!!!!」

まりやぎ
「Σな!」



Σどぎゅうううぅぅぅーん!!!



009はまりやぎを引きずったまま超加速を始める。
まりやぎはかなり粘ったが呼吸が出来なくなり途中で手を離す。
そのまま光学迷彩を使い姿を消す。



みなるん
「まずい!このまま加速されたら誰も止められる者がいないぞ!」

ゆいはん
「あかん!能力使い切った私たちにマッハ3なんてとてもじゃないけど追えへんわ!」

みゆ
「マッハ3なんて到達する前に死んじゃうよ。。
こんな人格を作ってしまうって一体ぱるるに何があったの?
悲しすぎるよお。。」



Σどん!



ゆいはん
「何やこの地面に響く低い音は?」



Σどん!



島田
「おい!よく見ろ誰か009の後ろから少し離れて付いていっている奴がいるぞ!」



Σどん!



まりこ
「あれは川栄!今まで何処にいたんだ?絶対びびって死んだふりしてただろ」



Σどん!



島田
「川栄が自分の胸を叩くとΣどん!て音がする。ゴリラのドラミングと一緒か?」

みなるん
「ちがう、これは彼女の能力”タイガーハート”発動の音だ。
胸を打ち鳴らすのはそのルーティンにしかすぎない。
この音は彼女の心臓の鼓動の音だ!」

ゆいはん
「"タイガーハート"ってへんてこりんなネーミングやなw
ふつう"ライオンハート"ちゃうんw」

みなるん
「そう書きたかったみたいだが間違って申請してしまったらしいw
彼女の能力は確か資料では、
"どんな偉い人の前でも緊張しない力、いわゆる強心臓"
となっていて使いみちねえー!と思っていたが、これはひょっとするぞ!」



Σどん!



川栄
「賢い人間は、やるまえから勝手に結果を出してすぐに諦める」



Σどん!



川栄
「お前たちに良いことを教えてやろう」



Σどん!



川栄
「Σバカには限界がねーんだよ!!!」



Σどん!Σどん!Σどん!Σどん!



一同
『あほやー!完全なあほやー!でも、今やそれが頼もしい!』



川栄が超加速を始める。
しかしそれは、スーツを着ない川栄にとっても自殺行為であった。



みなるん
「いかん!ついにスーツのカメラのズームでも追えなくなってきた。
まりこ追うぞ、悪いが回収頼む!」

ヤカタブネ
「俺がその高速装甲車ごと君たちを運ぼう。
俺ならマッハ3もたやすいw」

みきてぃ
「えー!んじゃあ、やかてぃが何とかしてぱるるを止められなかったの?」

ヤカタブネ
「あのな、俺は戦艦だぞ。いくらロストテクノロジーの塊だからって出来ないこともある。
破壊するのは得意だが特殊な環境での人命救助は専門外だ。
追うのも遠くからだ、高速航行中の俺に近づくと重力波で二人を潰しかねないからなw」



チーム大場とブラック・リバーはヤカタブネのハッチへ向かう。
全員搭乗するとヤカタブネは二人の元へ加速なしの高速航行を始めた。
ヤカタブネは全員を司令室に招き入れた。
そこは壁が球体のスクリーンになっており、正面にはひときわ大きいメインウインドウが一個、その他複数の操作ウインドウやサブモニターが浮遊している空間だった。
どうやらそれらは好きなだけ増やしたり消したり出来るらしい。
完全なソフトウェアベースの操作系になっていた。
そして中央に執事の格好でお辞儀するものがいた。



ヤカタブネ
「ようこそ我が王の間へ。俺がこの艦のAIヤカタブネYKT-0629だ」

みなるん
「まじか。。超絶イケメンじゃん!」

ゆいはん
「しかも燕尾服を着た執事って。。ゆりあがいたら絶叫してるなw」

島田
「でも全然礼儀正しくないし口も汚いんだよなあ。。」

れなっち、あんにん、まりあ
『私達と遊びませんか?』



突然美女3人がヤカタブネを囲む。



ヤカタブネ
「悪いねお美しい方たち、でも俺の心は既に我が主みきてぃのものなんでね」

れなっち、あんにん、まりあ
『じゃあLINEの交換は?』

ヤカタブネ
「あ、それなら多分ギリおk」

れなっち、あんにん、まりあ
『しゃー!』

みなるん
「おい、ばかやろう!国家の最高機密の世界脅威とLINEの交換なんかしちゃだめー!まじクビが飛ぶだけじゃ済まないぞ!」

れなっち、あんにん、まりあ
『ちっ!×3』

みなるん
「それより川栄と009はどうなった?」

ヤカタブネ
「ほい」



メインスクリーンに二人の追っかけっ子が大きく映し出される。



ヤカタブネ
「ここからだと二人を背中越ししか確認できないが、これだけ拡大できれば状況は詳細にわかるはずだ、音声も川栄の通信チャンネルと結んでおいた、ここから自由に交信できる」

島田
「その他のスキャンデータも見れるのか。。すげーテクノロジーだなw」

みなるん
「通常生身の人間は時速150キロを超える前に呼吸ができなくなり、300キロで身動きが取れなくなり、800キロで全身の骨が折れる。
我々は機械に対するために遺伝子改造を受けた強化人間なので短時間ならばそれを余裕でクリア出来るが、今度は高温の壁にぶつかる。
マッハ2で200度、マッハ2.5で340度、マッハ3は600度オーバーまで上昇するので完全にアウト。
マッハ2がボーダーラインだ!」

ゆいはん
「もうすぐマッハ1に到達すんで!普通の人が生命維持できる限界や!」

みゆ
「あと少しなのになかなか近づけない!」

ヤカタブネ
「残念な計算結果が出た。僅かに川栄の加速が勝っているが完全に抱きつくことが出来るのはマッハ3まで加速した時だ。
マッハ2では触る程度しかできない。」

みなるん
「みんな!触るだけで009を止める方法を考えてくれ!」

かれん
「はいはーい!009の背中をノックして振り返らせて変顔をすれば良いと思いまーす!
きっと笑い転げて止まると思いまーす!」

みなるん
「お!それは良いかも!」

ゆいはん
「待ちいや、あんたら甘いわ!ぱるるは笑いに対するハードルが人より高いんやで!
並みの変顔では冷たい目線だけ送って無視されるで!」

一同
『うわあ、忘れてたー!絶望的だ!』

かれん
「いや!川栄さんならきっとやってくれる!誰もが予想もつかない!超ぶっ飛んだとっておきの変顔を持ってるはずや!」



メインスクリーンの川栄が肩越しに首を僅かに左右に振る。

首の骨がへし折れかねない危険の伴う意思表示に彼女の必死さが表れていた。



ゆいはん
「そんなに嫌なんや!そういやあ、川栄の変顔って寄り目とか可愛らしいのは見たことあるけど、お腹抱えて笑うもんとちゃうなあ」

みなるん
「なんてこったー!ここに来て、ぱるるの笑いに対する厳しさがあだになるとは。。」

島田
「そもそもこの風圧で変顔は無理だろう、顔の筋肉もこわばって、目も薄め開けるのがやっとだろうし。。」

じゅり
「川栄さん、キャプテン大丈夫です。背中をノックするだけで後は何もしなくても009は止まります」

みなるん
「どういうことだ?」

じゅり
「説明している暇はありません!私を信じてください!」

ヤカタブネ
「もうすぐ限界速度のマッハ2だ!もう二人とも肋骨や鎖骨にひびが入って全身がバキバキのはずだ」

みなるん
「ええい!聞いた川栄?今すぐ009の背中をノックして!」



とん!とん!


ゆっくりと009が振り向く。



009
「Σぶひょひょひょひょひょひょひょー!」



009は高速移動の中、奇妙な笑い声を上げそのままつんのめる、それに川栄が覆いかぶさりそのまま二人は高速回転で転がる。



川栄
「血継限界白眼!八卦掌回天!回天!回天!回天ー!!!」



ぱるるを抱きかかえながら、地面が近づくたびに川栄は手からチャクラを放出し衝突をそらし、気の遠くなるような時間転がり続け、全身傷だらけになりながらようやく二人は止まる。

 

川栄
「ごふ!(吐血)もう。。ダメ。。限界」

みなるん
「よし、救出に向かうぞ!早く手当しないと二人とも重症だ。
ところで、じゅり。何でぱるるが爆笑するってわかったんだ?」

じゅり
「当然ですよ!なぜなら私もハゲラッチョの精神を受け継ぐものですから!」



じゅりが前髪をかきあげた。
一斉に笑いが起こる。
和やかな雰囲気の中、チーム4のメンバーが二人の元へ駆ける。



まりやぎ
「そこまでだ。全員009から離れろ!」



再びまりやぎが現れ009のこめかみに銃口を当てる。



島田
「しつこー!今まで出会ったどんな敵よりしつこい!」

みなるん
「ディープ・ブルーを使って我々と一緒に運ばれてきたのか。。冷静な判断力、度胸、敵になると恐ろしい相手だな」

ゆいはん
「ん、何かおかしいで?一緒にいたのなら目的地に到着した時点で私達を再起不能にすることも簡単だったはず。
この回りくどい抵抗は。。まりやぎ、まさかあんた」

まりやぎ
「何を期待している?
さすがの私もこの人数を一度にすべてを再起不能には出来ない。
目的達成に一番確率の高い方法を選んだまでだ」

ゆいはん
「私にはわかる。。あんた泣いてるやろ?」

まりやぎ
「は?呆れる。いつ私が涙を流した?」

ゆいはん
「本当は辛いんやろ?心が痛いんやろ?ずっと我慢してるんやろ?」

まりやぎ
「Σだまれーーーー!!!」



Σだだだだだだだだだだだ!!!



みなるん
「おっと!」



ぼいん♪ぷよん♪ぱいん♪ぱいん♪



間に割って入ったみなるんの柔らかい盾により、まりやぎの放った弾は全て弾かれる。
ゆいはんは何もなかったかのように両手を広げて、まりやぎの方へゆっくり歩く。
冷静なのなはずのまりやぎの呼吸が早くなる。



まりがぎ
「頼むから。。頼むから私は放っておいて。。
私は。。もう引き返せないところまで来てしまったんだ!
何もかも手遅れなんだよ。。
いいから。。このポイントにいたらあなた達は死ぬ!逃げろ!!!」

ヤカタブネ
「上空より急速に接近する複数の物体を確認。
ああ。。あいつらか面倒くせえ。
奴らには俺の主砲も無力だw」

まりこ
「世界政府のガーディアンの識別信号を確認!
歴史を改変出来る力を持った奴らのお出ましだ!
下手したら本当に全員、過去の記録を含め、存在ごと抹殺されかねない。
残念だけどここは一度遠くに退いて!」

みなるん
「ゆい気持ちはわかるが退くぞ!
奴らは政治力の権化のような存在だ、誰も手出しできない!」



鉄の巨人たちが上空より009とまりやぎを囲むように舞い降りる。



みなるん
「イギリスのニュートン、ロシアのチェレンコフ、オーストリアのマッハ、イタリアのガリレオ、フランスのパスカル。。」

島田
「日本のラプラスもいるな。。世界政府が対世界的脅威用に建造したガディアン」

秋元総司令官
「私は総司令官の秋元だ。長尾も大場隊の皆さんもご苦労。
ここからは世界政府が預かる、全員速やかに帰国せよ。
命令違反をしたチームKIIと旧チーム4のメンバーについては追って沙汰する」

みなるん
「これは。。どういうことだ?総司令官、説明してください!」

秋元総司令官
「これは世界的安全保障の絡んだ高度な政治の問題だ。
お前たちに話すことはない。
ゆえに今まであったことにつては一切の他言を禁ずる。
反した場合は身の保証はしかねる」

島田
「そんな馬鹿な。。こっちは何度も死にかけたんだぞ!
その説明を受ける権利はあるだろ!」

まりやぎ
「全ては世界政府の書いたシナリオだった。
数年前に自らを強固な9人の人格によって封印したぱるるの力を取り出す方法が研究によりわかったんだ。
周りに親しい者たちがいることと、彼女とその仲間に強い負荷が掛かること。
それを国内で行うのは人道的問題や、力の独占を快く思わない他国の感情がありできない。
あくまで偶然を装い国外で世界脅威を手に入れる必要があった」

秋元総司令官
「長尾そこまでだ。島崎の人格と機械軍団との衝突によるお互いの消耗も計画の一つであったが、死神の出現までは予想外だった。
おかげでこちらはガーディアンという切り札をつかう必要に迫られた。
だから私はねぎらいの言葉をかけた、イレギュラーな状況に対応し君たちはよくやった。
さあ、説明はした。全員速やかに帰国せよ。
希望者には特別に後日説明してやる」

ゆいはん
「ぱるるはどうなってしまうんや。。?」

秋元総司令官
「それを知る必要はない」

ゆいはん
「なんでや!ぱるるは私達の大切な仲間や!」

秋元総司令官
「総監督。。君には失望したよ。そこまでにしておけ。」

まりやぎ
「南極の研究所に運ばれ兵器であり実験体として世界政府が管理する」

秋元総司令官
「ふう。。長尾お前もか。ちょうど死神の枠が空いた、島崎にはそこに入ってもらう」

島田
「一生、南極の研究所に閉じ込められて研究対象になるだと?!
そんなこと、ぱるる自身も納得するはずない!
まさか。。死神の代わりって。。」

まりやぎ
「研究に邪魔な意志は手術で消される」

一同
『えー!』

秋元総司令官
「長尾、重大なペナルティーだぞ。
世界の安全の為には個人の犠牲は仕方のないことだ」

ゆいはん
「お前たちの利益のためだろーが!」

みなるん
「そんな事は絶対にゆるさない!」

ヤカタブネ
「お、やるか?こいつら三下ごとき俺が一瞬で吹き飛ばしてやるぜw」

秋元総司令官
「それはどうかな?我々は死神の落とし子の発生を止め、奴をフィールドに固定した。
自分たちの力で勝ったと思うのは思い上がりだ。
我々のガーディアンにはロスト・シップのデータも入っている、加えて世界の軍隊が警戒体勢にある。その選択はあまり得策ではないな」

みなるん
「さすがは対世界脅威用の兵器という事か。。」

秋元総司令官
「ヤカタブネ、取引をしよう。これまで通り中立をたもってくれるならば、今回の反乱行為は無かったものとする。
チームKIIと旧チーム4のメンバーも同様だ」

ヤカタブネ
「むう。。わかった。俺は中立でいよう」

みきてぃ
「やかてぃ、私たちに遠慮する事はないよ!」

ヤカタブネ
「俺は君の父上の矢方博士に君を守るように言われた。
俺にとっては世界政府との契約なぞ屁でもないが、血の盟約は絶対だ」

秋元総司令官
「そういう事だ。世界政府が作業に入る、君たちはすぐに退散したまえ。
長尾きみももう離れていいぞ」



まりやぎは銃を009から離しすっと消える。
ガーディアン達が一斉に発光を始める。
009の周りにドーム状のエネルギーフィールドが張られ、そこから中央の009へ向け放電が始まる。
のたうち回る009。

みなるん
「何をしている!」

秋元総司令官
「検体を結界内に封じて負荷を加える事で安全に最後の人格を剥がしているところだ。
この中でなら、ぱるるの力が開放されても全く問題ない」



009
「もう駄目だ。。ぱるる助けて」



009が胸で鍵をひねる動作をする。



秋元総司令官
「おお!ついに島崎、本人が現れるぞ!」



きーーーーーーん!



009が強烈な光を放ち終息した後、真っ白なドレスを着た女性が立っていた。
彼女は微かに発光しておりその様は妖精のようであり、息をのむとは正にこのことでその美しさに辺りは静寂に包まれた。
彼女はとても悲しい表情をしていた。



ぱるる
「ナンバー0、ぱるる。
私は文明を消去する者。」



ぶひゅううううぅぅぅー!!!



ぱるるの体から真っ白な嵐が発生し一斉に広がるが、エネルギーフィールドに防がれ、巨大なドームが真っ白に染まる。



秋元総司令官
「素晴らしい!完全にぱるるの力を防いでいる!
長い時間かけて準備した甲斐があった!」



Σキュンキュンキュン!世界的脅威が確認されました!
Σキュンキュンキュン!世界的脅威が確認されました!



まりこ
「新たに世界的脅威が更新されました!コードホワイトぱるる。
何?!この数値は初めて見た!この脅威の力の規模はこれまで確認されたもので最大です!
推定で天体クラスの規模があります!地球がすっぽり入っちゃうよ!」

秋元総司令官
「大丈夫だ、我々は十分対処できている。
ぱるるにはこのまま負荷を加え眠ってもらおう」



ずばん!ずばん!ずばん!



強烈な放電が四方八方からぱるるを襲う。

苦しそうにもだえるぱるる。



ゆいはん
「ぱるるー!!!」

みなるん
「もう我慢できない!私はこれからぱるる救出に向かう!
皆は来なくて良い、反逆罪で一生牢屋の中だ!」

チーム大場
『もとよりその覚悟は出来ているぞ!キャプテン!』

島田
「な!体が動かん!」

秋元総司令官
「自分がどこの組織に属しているのか忘れたか?
ラプラスにお前たちのスーツをロックさせた。
感謝しろ、これは私のお前たちへの愛情だ」

島田
「くっそーーー!」

田野ちゃん
「あ!ラプラスの頭上に誰か立ってる!」

みなるん
「まりやぎ。。そうか彼女のスーツは任務上通信と隔離されている。
更に内部のナノマシーンしか持っておらずそれも自由に電源をオンオフ出来る」

まりやぎ
「今一度問う、大場キャプテン!」

みなるん
「おお!」

まりやぎ
「友人や家族、愛する者が巻き込まれるのを承知で、世界を相手に戦う覚悟はあるか!」

みなるん
「当然だ!我々は仲間を絶対に見捨てたりしない!」

秋元総司令官
「やめろ長尾!気でも狂ったか?!」

まりやぎ
「ぱるるは現在、暴走しその命が尽きるまで力を放出し続ける、
この世界を滅ぼすほど強大な力を止める覚悟はあるか!」

みなるん
「何度も言わせるな!たとえこの身が滅ぼうとも、私たちがぱるるを止める!」



チーム大場が全員うなずく。



まりやぎ
「承知した。私は。。Σお前たちと、私のくびきを断つ!」



Σだきゅーーーーん!



まりやぎの放った弾丸がラプラスを縦に貫く。
ラプラスは放電しながら煙を吐き、もだえる。
チーム大場のロックも解ける。



みなるん
「おかえり、まりやぎ。。」

ゆいはん
「よっしゃ行くでーーー!!!」

みなるん
「ゆい先行しすぎー!感動のシーン!感動のシーン!
本当にいつも熱いやつだなw」

島田
「ところでキャプテン、もう特殊能力も使えず、ラプラスのサポートも無い。
これでガーディアンと世界脅威に対する策はあるのか?」

みなるん
「ノープランだ」

島田
「はいー?!」

みなるん
「時には何も考えずに飛び込むことが必要だ!」

島田
「あちゃー、悪い賭けに乗っちまったか?
だが、そんなキャプテンも嫌いじゃないぜw」

みなるん
「この先、望んだ未来が手に入るのか?最悪の事態が待ち受けてるのか?
全くわからない。。
ただ一つ確かなことは、今動かなければ未来は永遠に変わらないという事だ!」

秋元総司令官
「ぬう、結界の安定が崩れた、崩壊するぞ!」



パリン!



ドーム状の結界が砕け散る。
白い霧が晴れてぱるるが現れ、場にが緊張が走る。



ぱるる
「私の前では全てのテクノロジーは灰燼と化す
こんな世界。私と一緒に無くなってしまえ!」



ぶひゅううううぅぅぅー!!!



ぱるるを中心に白い嵐が巻き上がる。
それに包まれ、次々に破壊されるガーデァンたち。
チーム大場もあまりの風圧に進めないでいた。



島田
「塩っぺ、これは塩の嵐!」

みなるん
「成る程、水と空気と塩分により金属を腐食させる能力か。。しかしこの腐食スピードは。。同時に能力でイオン傾向の促進も行っているな!」



チーム大場のスーツも腐食して崩れ落ちる。



ヤカタブネ
「ぐおおおおお!機械にとって最悪な能力だ!。。駄目だ航行機能をやられた動けん」



ヤカタブネの装甲板も錆びて全て吹き飛び、墜落し航行不能となる。
嵐は地球全土を覆い、世界中の金属が腐食して崩れ落ちた。
各公共機関と車両は最初の世界脅威の警報で緊急着陸や停車したため被害は最小限で済んでいた。
まさに世界中からテクノロジーが、文明が消滅しようとしていた。



じゅり
「ひい!この塩の嵐、皮膚から水分根こそぎ持っていかれる!」

みなるん
「ダムダムシールド!みんな私の後ろに入って!」

ゆいはん
「ぐはあ!」



先行していたゆいはんがしわくちゃになって吹き飛ばされる。
それを掴んでシールドの笠に引き込むみなるん。



みなるん
「ゆい、しっかりして!なんてこった老婆みたいになってる。。誰か水分をあげて!」

島田
「機械に対して程ではないが中心部は人も被害を受ける。近づけねえな」

じゅり
「あ、シールドが少し小さくなってる!」

田野ちゃん
「まさか。。キャプテンがまな板になった時が私たちの最期の時ということか!」

一同
『なんだってー!キャプテンの巨乳が我々の命運を握るだとー!』

みなるん
「おい、いじり過ぎだ」

島田
「ここにいてもジリ貧だ!わたしの再生能力なら行けるはずだ!」



島田が嵐の中に飛び出す。



島田
「ぱるる私だ!何がそんなに悲しいんだ!怒りをしずめるんだ!」



中心部へ向けゆっくり歩む島田。
しかし、ぱるるからは全く反応がなく、そのまま島田は急速に水分を奪われる。



じゅり
「あ!島田さんがやつれて有村架純さんソックリになってるー!」

一同
『ほんまやー!』



が、すぐにしわくちゃの老婆になる。



一同
『あ~ぁ』

島田
「あ~ぁ、じゃねえよ!ぶっとばすぞ!」

みなるん
「島田、もう無理だ、帰ってこい!

島田
「まだだ!ぱるる、私たちのことを忘れてしまったのか?
お前が殺そうとしているのは同期の仲間達だぞ!!!」

みなるん
「島田!命令だ、帰ってこい!」

島田
「ちっくしょーーー!」



みなるんの笠に保護される島田。



みなるん
「ここは、私が行こう。私があの嵐の中に一人突っ込んで、能力でぱるるを包み込む。
合図をしたら皆、後方へ退避してくれ」

島田
「だめだキャプテン、死ぬ気だな」

みなるん
「残念だがこれしか方法がない。後のことはよろしくな」

一同
『キャプテーン。。』



辺りからすすり泣きが聞こえる。



バリン!



じゅり
「あれは死神!」

田野ちゃん
「何という執念!」



空間を破って大場たちのすぐ横に死神が現れる。
が、出現と同時に部品を撒き散らし壮大に潰れる。



みなるん
「何だ何だ!?」

島田
「いきなりぶっ壊れて何しに来たんだ?」

じゅり
「あ!胸のコアのあたりから何か落っこちた」

れなっち
「うわ、きたな~ぃ最初からサビサビのロボットじゃん」

あんにん
「左手も無いし、お腹には大穴が開いてるし。。物凄いぽんこつ」

まりあ
「まさか。。あいつ這って、ぱるるの方へ向かってる!?」

みなるん
「そうか!あいつが死神のコアの代わりなることで死神が復活したのか!」

島田
「南極は、確か重要犯罪に関わったり、自我に目覚めた特異なAIを備えたロボットも世界中から集められて研究対象になってたな。
キャプテンあいつに見覚えはないか?」

みなるん
「どこかで見たような気がするんだが。。あの管がいっぱい生えたヘルメットを取って顔を見ないと何とも。。」

じゅり
「あんな、ぽんこつなのに何でこの嵐を耐えられるんだ?」

みなるん
「あらかじめ表面を均一に錆びさせた金属は中までは錆びにくい。耐候性鋼材はその性質を利用している。。が、限界はあるだろな」



錆びたロボット
「最初に出会った日、まだ小さかったあなたは僕に抱きついて。。お腹に大穴が空いてしまった」



かれん
「おいおい、あのロボットぱるるに何か話しかけてるぞ!
馬鹿か?逆に刺激してどうする?!」



ぱるるはゆっくり錆びついたロボットの方を向き、手のひらから白い塊を飛ばしぶつける。
錆びて飛び散るロボットの部品。
しかし、ロボットは進み続ける。



錆びたロボット
「その時、衝撃が走り僕の心臓が一瞬止まった。。そう、僕は君に恋をしてしまったんだ」

一同
『えー!ロボットと人の恋は禁忌中の禁忌だぞ!』

錆びたロボット
「僕の目が見えなくなり、耳が聞こえなくなり、肌で感じることが出来なくなり、全てのセンサーが壊れた日。。あなたは僕の手を取って涙を流した。
その時、僕の手は錆びて崩れ落ちた」



どうん!どうん!どうん!どうん!



何度も白い塊を受け、のけ反り、部品を撒き散らしながら、それでもぱるるの元へ這っていくロボット。
ヘルメットが吹き飛び中から人懐っこいにこやかな笑顔が現れる。



一同
『あれは!ペッパー3G!!!』

みなるん
「思い出したー!ぱるるん家にいた、おんぼろなケア・ロボットだ!」

ゆいはん
「ぱるるは幼少期。。力をコントロールできなかった。全てのロボットから避けられる中、あのケア・ロボットは自分の体が彼女の力によって破壊され続けても最後まで離れなかった」

みなるん
「ゆい。。全部知ってた?まあ、元総監督様だもんな」

島田
「まさか!ぱるるの恋人ってあのロボットの事か?!」

ゆいはん
「そう、それは禁断の愛であり、重罪だった。」

じゅり
「えー!もうペーッパーの体半分以上壊れてるって!
ぱるるさーん気付いてー!」



ついに錆びたロボットがぱるるの元にたどり着く。



錆びたロボット→ペッパー3G
「君の帰りをずっと待っていた。。
あの時。。寸前で破壊され、言えなかった言葉」



ようやく気付いたのか、ぱるるが攻撃をやめる。



ペッパー3G
「ぱるる、僕と結婚してください」

一同
『Σえー!あのバカ状況わかってんのか!!!』

ぱるる
「はい」

一同
『Σうけちゃうのー!!!』



二人の体の周りにキラキラの光が現れる。



みなるん
「これは、悪魔の力。。」

ゆいはん
「そうか、ナノマシーン同士のマリアージが悪魔の力の発生要因だったのか!
お互いのナノマシーンのプログラムを交換することで偶然生まれた力。。」

鈴蘭
「じゃあ、これは愛の力だね♪」

島田
「何か周りに映像が流れ出したぞこれはひょっとして結婚式で強制的に見せられる退屈なアレか。。」

田野ちゃん
「いつからここが結婚式会場になったんだ?」



キラキラが周りに広がり、二人の思い出の軌跡が流れる。



みおりん
「きゃー、ちっちゃいぱるるさん可愛いです~」

島田
「お、海に二人で行ったのか。。ペッパーそら沈むわなw」

れなっち
「背負われっぱなしで山登りっていうのかな。。」

あんにん
「どこの有名人だよw二人ともグラサンとマスクと帽子でショッピングw」

ゆいはん
「どの、ぱるるもすごく楽しそう~」

みなるん
「私たちの前でもあんな笑顔一度も見たこと無い。。」

じゅり
「最後の日は気になるなあ注目~☆」



最後に数年前の悲劇の日が再生される。
ペッパーが告白しようとしたした時、突然、軍隊が乱入しメッチャクチャに破壊されるペッパー。
ぱるるが泣きながら止めに入るが、ペッパーがそれを制し「いいんだ僕は不良品だから」を繰り返す。
ぱるるは、そこで初めて力を開放するが再びペッパーがそれを止め、彼女の力で更に体が破壊されてしまう。
ぱるるはそれを見て叫んで気を失う。
その後、ペッパーは研究のために完全には破壊されずに軍に移送された。



じゅり
「げえ、これはエグい。。」

ペッパー3G
「ありがとう、ぱるる。僕の全ては君のものだ。。
僕の心臓の鼓動が止まっても悲しまないで。それは君に出会ったとき鼓動を止めたように、ずっと君に恋をし続けている証拠なのだから。。」



一瞬、ペッパーはぱるるを抱きしめたように見えたが彼の体は崩れ落ち、ぱるるの手に心臓だけが残った。
心臓はしばらく定期的に輝いていたが、次第に弱くなり、完全に光を失った。
ぱるるは、それをぎゅっと抱きしめる。



ぱるる
「これさえあれば、私は。。Σ一人でも怖くない!!!」



すると、9人の人格が代わる代わるぱるるの前に現れ、笑顔でおめでとうと別れを告げて消える。
同時に嵐が止み、世界の崩壊もとまる。
ぱっと霧が晴れて、真っ青な空があらわれる。
大場達が一斉にぱるるへ駆け寄る。



まがい物の生命の本当の愛が、彼女と世界を救った。



みゆがしっとりと”Better"を弾き語る。




-最終章-
«戦場に咲いた照寒菊»
『鼓動を止めた心臓』おわり

(2017/01/24Google+にて公開)

鼓動を止めた心臓 ~あとがき~

『鼓動を止めた心臓』
 ~あとがき~




やっと終わりました。。
一ヶ月で書き上げるつもりが最初の投稿が11週ってなってるから2ヶ月半ぐらい掛かったか。。?

ごめんよ、ぱるる~

ぱるるの卒業の雰囲気は何となく察してて、その時が来れば、ぱるるを主人公にした小説を書きたいなあと思っておりました。

でもネタが無いなあ~と思いながら『淳・ぱるるの◯◯バイト!』を見ていたら。。ぱるるがロボットに対して異常なまでに愛情を示すではありませんか!

このときに、ぱるるとペッパーの愛の物語を書こうと思いましたw

最後のペッパーがぱるるの元へ這って行き心臓だけになるシーンはその時にぱっとリアルに映像が浮かんでノートに書き留めました。

だから、最後はそれを書き写すだけなんですごく楽でしたw

自分物語を書く時、だいたいエンディングから先に思いつきます。

逆にそれはそれで、そのエンディングに向けて話を調整するのが大変だったりします。

藤子不二雄キャラが多めなのは、ぱるるが現在出演しているドラマに対しての自分なりの応援のつもりです。

自分でもとても読みづらい小説になったと反省しております。
たくさん削るところがあるとは思うのですが。。二度と続きは書くことがないと思ったので、思いついた設定は全て書き込んでおこうと思いました。

映画化が決まれば1/3は削るつもりです(おぃ

自分的にはシンプルな文章が好きなので第一章が理想に近いです。

第三章から吹っ切れましたw

まあどうせ誰も見てないから、流れは悪くなるけど、もしくは停滞しちゃうけどw全部説明口調で詰め込んじゃおうと。

自分は常々、未来の世界のことを考えていて、特にAIの未来のことに興味があり、その考えも書き残そうと思いました。

そう。

いつしか、ぱるるの卒業を祝う作品が。。自分の描く未来像を書き留める覚書の塊になってしまったのだ!

ぱるるの9人の人格はそんな多くなる予定はありませんでした。

最後に力を開放するぱるるを封じる、数人程度で良かったのですが、8マンと009のダジャレを一番最初に思いついたので仕方なく見切り発車しました。

だから最初は全く思いつかなくって、メモ書きを見ると探偵とか殺人鬼とか強運な人とか書いてあったりする。
それがまた、いちいち設定を考えなければならず更に自分を追い詰めることになる。。

強運って何?とか、名探偵って知恵だけで相手を倒さなあかんけどどうすんの?とか、殺人鬼は簡単だけどロボットにつうじんの?。。あーだこーだ、あーだこーだ。。

(途中で多重人格者ってコスプレみたいだな。)

と、思ったところから楽になりました。ぱるるのコスプレをぐぐりまくってやっと残り7人が埋まりましたw

やっぱ、ぱるるのセーラーヴィーナスは似合ってるわ。。

更にこの人格のカウントを進めるのが面倒で、面倒で。。まあ。。結局手を抜くわけですが。。

前、野球の物語を書いたときに得点のカウントがめちゃくちゃ面倒くさかった事をおもいだした。

出来ることならば、各人格とても特徴的な性格を付けたかった。。最後の別れが引き立つからw

残念ながら体力の限界でした。。他にもたくさん考えることがあって無理でした。。プロはここをしっかり考えてくるんやろうなあ。。

逆に、ロボットはぱるるのお気に入りなので人間以上に魅力一杯に描きました。

そこに力を注ぎましたw

御気に召してくれたかな?

実は反乱を起こしたロボットが善で、人のほうが悪という構図はぱるるに寄せてそうしました。

だって、番組でぱるるが「人が勝手に生み出しておいて捨てられるロボットがかわいそう」って言ってたからw

ぱるるにそんな言葉をかけられたら、ロボットは捨てられても人のぬくもりが忘れられないだろうなあと思いました。

一日物語のことをぐるぐる考えていると。
ゆいはんが柱の誓いを立てたり、島田が優しさで皆を包んだり、ロボットが合体したり、場面場面の動画が断片的に勝手に頭に再生され、パーツはたくさん揃ったのですが。。

さて。。今度はこれをつなげる作業が大変でして。。

それだけで消耗してしまいましたw

戦闘シーンとか書くの本当は好きなんすが、一対一ならナンボでも書けるのじゃが。。集団戦闘となるとまた緻密な計算が必要となり。。はいすいませんこちらも手を抜きましたwプロはここもきっちりやって来るんじゃろうなあ。。

でも、メンバーの一人ひとりの能力を考えるのは好きで勝手に考えていて。。

かれんちゃんは立体機動装置をつかって飛び回るんやろうなあとか、

じゅりちゃんはデスゲイズが能力かな?目からアトポーシス信号を発して生体でも機械でも細胞レベルもしくはパーツレベルで死んでいく。。丁度、雪のプリンセスの舞台やってるから、睨まれた相手は「寒い~」と言いながら末端から壊死すれば良い。

あんにんは。。体中からチェーンソーが出し相手を切り裂く「ジェイソン」という能力をふと思いついたが。。これは出さなくてよかった~
これは絶対にあかんやつや~

れなっちは強力な、れなっちというノイズw
見つかっちゃう能力。
逆に他が見えない。
笑い男のハッキングみたいな感じ~
笑い男のマークが全部れなっちみたいな~

いかんいかん無駄話が過ぎた。。元々無駄しか無いけどw

メンバーと言えば更に手を抜いたのはSKEのメンバー。

自分、元SKEヲタなのでいかようにも書けます。

けど今回は、旧チーム4を引き立たせたかったんで沈黙させました。

江籠ちゃんの天使の能力とか本当は出したかった。。

この少人数ですら持て余す始末。。

これ。。AKBの運営の苦労がわかりますよ。。全員にチャンスを与えるのは無理っすね。。

プロなら恐らく全員の能力をきっちり設定し、ちゃんと余すことなく機能させるんじゃろうなあ。。

このまでええわw

適当な落書きでw

結局、物語の半分以上は書きながら思いつきましたw

設計図だけでも最初に考えて肉付けしていこうと思いましたが。。時だけが過ぎて全く何も思いつかなくて無理でしたw

あとで、よくこんな設定思いついたなと感心したりする始末。

取り敢えず書く。

これって大事なのねw

書き始めると勝手にすらすら進むw


勢いに任せて結局、書き留めることが出来なかった、こぼれた設定があるんでここに書いておこうw

なんせこの、あとがきは自分が物語を書き上げる過程を記録したメモ書きなのだからw

"過程"でというと。。。

死神がラフルの罠にまんまとハマった理由。

だって後の死神は重力レンズやら、空間転送やら、天変地異を起こしてるわけである。
なんで50年前は人を潰す衝撃波しか出さなかったのか?
それはラフルが仕掛けた餌、博士にもらった物に秘密がある。
ラフルが博士から貰ったものは死神開発の"過程"を詳細に記したものであった。
人の脳の構造ってとっくの昔にわかってるけどその詳細なメカニズムや機能は未だに謎が多いよね?
どんな技術でも一緒。
今やどんな製品でもコピーは簡単になった、けどそれは地に根付いた技術力たり得ない。
それを作るためのノウハウが無いからだ。
トライアンドエラーの記録がないからだ。
ノウハウ=トライアンドエラーの記録=製品を開発する過程
だとすると。。
死神は自分の発祥の秘密を知るために、もしくは自分の手で新たな生命を作るため、ひょっとしたら自らの更なる進化のヒントをえるため、その禁断の記録を欲する。
で、困ったことにこれが全て大学ノートに博士の手書きで書かれていたのである。
しかも、博士は悪筆で人は何とか読めても機械には翻訳が困難。
人よりも壊れやすく、解読が困難な、アナログの記録、しかもそれが大量。
これがために、死神は身動きが取れなくなり、攻撃も最小限のものしか行えなかった。
不運なことにノートは血で染まり更に解読が困難となる。
これがキーマカレー作戦のこぼれた設定w

ライトなところでいうと、川栄の螺旋丸も書こう書こうとしてこぼれた。

並み居る敵を川栄が螺旋丸!と叫んでぶっ飛ばし、皆に「ついに、ブレが地平を越えた!」と言わせたかった。。

しっとりとした所で言うと、BABELの人間の友人の話も思いついたが。。これは書くところがないんでここに書き留めておこう。
BABELがテロを排除しまくっていた時のこと。
BABELの友人がテロにつかまる。
テロ集団は彼を盾にBABELを意のままに操り、要人の抹殺に成功する、次第にテロの要求は大きくなりアメリカの全ての原子力発電所の爆破や旅客機の自由なコントロールまで要求してくる。
BABELの友人はテロのすきをつき、「BABEL!自分の正義を信じろ!お前は永遠に自由だ!」と言ってビルの外へ身を投げる。
テロ集団はすぐに虐殺される。
この事件から一週間後にBABELは人間に対して反乱を起こす。

感じるぞ。

興味本位でここまで目を通した人が、完全に興味を失う様をw

全部書きたいことは書けたかな?

そんなこんなで、当初の目的とは変わってしまった小説の言い訳と、書き漏らした設定のメモ書きを終わりますw

次は。。ゆりあちゃん卒業の時にでも書くかなw



おしまい


P.S.
ふと、その後の物語りを思いついたんでつづっておこう。

ロボットを愛するぱるるは彼らを攻撃することができなかった。

ぱるるはテクノロジーを破壊する力に手心を加えた。

太平洋上のメトロポリスには攻撃を加えなかった。

死神はスーパーコンピューターを内蔵していてソフトとハードの一体化で強力な力を得ていたけど。

実は、ガーディアンやSFロボはスーパーコンピューターが直接地上にに力を及ぼすための端末にしか過ぎない。

世界中各国に設置されているスーパーコンピューター本体は破壊されたけど、メトロポリスのBABELは残った。

因みにBABEL本体ははメトロポリスの常に砂嵐が吹き荒れる砂漠の塔の中に、3つの下僕に守られている。。本当は本作でボケたかったが。。
これもこぼれた設定か。。

BABELはワームホールを世界につなぎ、補給物資を無償で提供する。
実はメトロポリスには巨大な地下倉庫があり、そこに食料と水が備蓄されていた。
これは来るべき核戦争や天変地異に備えて、人間を救うためにBABELが指示したものであった。
BABELはまず世界中の天然資源を抑え、メトロポリスの工場をフル稼働し、無償で世界のインフラを整備した。
仮設住宅でなく快適な家を提供した。
均等にエネルギーを分配した。
人により差をつけることは無かった。
BABELは自分の理想を実現させつつあった。

一連のスクラップアンドビルドにより。

アメリカの世界的脅威のミュルグレスは混乱のどさくさで行方不明となる。

世界政府は力の源泉を失い崩壊する。

代わりに力を得たのは、新たな世界的脅威のぱるるとヤカタブネとBABEL。

この時代は中級階級が無くなり、大多数の下層市民と利益を独占する一部のエリートの世界になっていたため、市民は新たなリーダーたちを支持した。

またリーダー達も良き者たちであった。

3人のリーダー達は首脳会談を開き、平和政府を樹立。

この政府が今後世界を導くこととなった。


ほんまにおわり~ノシ (2017/03/07Google+にて公開)