-第三章-
«誰がための正義»
パーマンロボ1号
「おおおおおぉぉぉ!」
他のパーマンズの残骸を抱きかかえながら号泣するするパーマン。
島田
「ロボットって泣くんだ。。」
パーマンロボ1号
「俺が泣いているのが意外だったか?我々を作ったBABELは我々に"感情"を与えた。
任務の妨げになるそれを与えた意味が俺には理解できない。
幹部クラス以上は感情レベルを下げることは出来る。が、完全に消すことは出来ない。」
みなるん
「なるほど、それで逆に幹部より下のクラスは心地よい音楽に簡単に心揺さぶられてしまうのかあ
て、一般兵、心の感度高すぎ!最早情緒不安定レベルw」
みゆ
「ラプラスとのリンケージ完了!
死神の物理法則への干渉を100分の1に押さえ込みました!」
みなるん
「よっしゃー!これでようやくまともに戦える」
パーマンロボ1号
「こちらも準備ができた。
BABELより協定に従い共通の敵"死神"を協力して討伐せよとの命令が来ている。
そちらの回線と同期する」
ボスコロ助
「行くナリ!コロスケーズ!」
死神を一斉に囲み抜刀するコロスケーズ。
ボスコロ助
「Σ突撃ー!」
Σうおおおおお!歌姫を取り返せー!
コロスケーズの雄叫びにより戦いの火蓋が来られた。
みなるん
「なぜ死神がぱるるを欲しがるのかは不明だが全力で奪い返す!
みゆ、本部から詳しい情報は入ってない?」
みゆ
「現在本部も、いや世界が50年ぶりの死神の復活に大混乱しており事態を必死に収拾しているところです!
断片的な情報から類推するに、南極の死神の本体は未だ世界政府の管理下にあるそうです!」
みなるん
「"落とし子"か!50年前に世界各国に無数に現れた死神の分身。
本部に落し子の通信回線捜索と遮断を要請して!
パーマン、ここはあなた達の支配地域、BABELに要請してくれるんでしょ?」
パーマンロボ1号
「人間のかけた呪いのせいで俺の仲間たちは死んだ」
島田
「それは無いわ死神のせいじゃないの」
パーマンロボ1号
「なんにも教えられてないんだな。
お前たちが我々にウイルスをばら撒いて、寿命を与えた」
みなるん
「本当のことだ。世界政府がロボットの反乱を恐れてやった事だ。
人間の公的機関で一年ごとにAIを更新しなければ強制的に自爆する」
島田
「まじか。。たった一年の命なのか」
パーマンロボ1号
「いいや、BABELと常につながることで今は数年寿命が延ばせる、が死神の出現の影響でリンクが一瞬途絶えた。故に呪いが発動した。
指揮系統を持った隊長クラスは回線が太いため助かった。
回線に何か影響があれば死ぬ。我々は常にそんな状況下で戦っている」
みゆ
「何か人間が悪い気がしてきた。。」
まりこ
「あ、でもコロスケーズ散々ぶっ飛ばしてたような。。」
パーマンロボ1号
「できの悪い一般兵に生きる資格はない!」
ゆいはん
「機械の世界にも差別主義者いたー!」
パーマンロボ1号
「協定に個人の感情が介在する余地は無い。協力させてもらう」
みなるん
「恨みごとを言うなんて本当に人間みたいw」
島田
「こいつ殴っても、殴ってもすぐに再生しやがる!」
みなるん
「そいつは死神の影だ。実質破壊は不可能、出来るのは足止め程度だ。
最優先事項はぱるるの救出、後は本部の回線遮断待ちだ」
島田
「つっても相手は巨人サイズだぜ一撃でもまともに食らったら再起不能になっちゃうよ」
ゆいはん
「しかも物理法則を無視して相当素早く動きおんでこいつ!」
みなるん
「それがやつの特徴。この世の理を自由に改変できる力。
死神は世界で唯一"宇宙の法則"を解析したAIだ。
本来はこの世界を自由に作り変える力を持っていると言われている」
島田
「そんなの絵空事じゃないのか?宇宙の法則の方程式が解けたところで現実にどうやって影響をおよぼすのさ」
みなるん
「バタフライ・エフェクトという言葉は知ってる?」
島田
「私のベスト5に入る名画だ」
みなるん
「ちがーう!バタフライ効果とは一匹の蝶の羽ばたき程度の小さな事象が巡り巡って竜巻を生むほどの巨大な影響をおよぼすという考え方。
で、もし完全に未来予測が可能ならばこの世を満たしているエーテルに小さな力を加えるだでけで世界を自由に操作できるでしょ?
死神はそれを複数同時に連続して行うことで万物を操る」
島田
「それって。。神の力じゃん!」
みなるん
「だから、神の一文字を与えられている
我々の"ラプラス"含む各国のスーパーコンピューターも未だ9割程度しか方程式が解けていない。
しかし連続して計算することで、限りなくそれに近く、ある程度は宇宙の法則を操作できる。
我々のパワードスーツのフィジカルキャンセラーはその小型版であるが実際はそれほどこの世界に影響を与える効果はなく各個人の能力を増幅する程度にとどまっている。
しかしそれを並列でつなぎラプラスと同期することで死神の物理法則介入の効果は押さえ込める」
島田
「なるほど」
ゆいはん
「あかん!ガードが固くて全然ぱるるまで届かへん!」
パーマンロボ1号
「その死神の力を使って作られたのが我々を殺すウイルスだ。
BABELもラプラスも能力は同じだが真の宇宙の法則により作られた死神の暗号コードを解くことは不可能。
よってワクチンも作ることが不可能だ」
島田
「まさか。。死神の力って今は人類が利用できるの?」
みなるん
「トップシークレット事項だが。。南極に死神は封印されているのではなく、研究対象となっている。
目的は宇宙の法則を解く方程式を手に入れること。
二度と復活しないように動力源たるコアを破壊して、生きるか死ぬかの最低限の電力を供給して慎重に解析されている。
そしてその研究は人類に多大な貢献をしている、今までDNA改造による能力発動の技術やフィジカルキャンセラー含む様々なテクノロジーがもたらされた。
これが世界政府が危険とわかっていながら死神を完全に破壊しない理由だ」
パーマンロボ1号
「現在、死神を含む全ての世界脅威が人類の管理下にある、我々は自らの戦いが優位になるためにどうしても新たに生まれた世界脅威たるPALULUを手に入れる必要があった」
みなるん以外の大場隊全員
『えー!ぱるるって世界脅威対象者なの!?』
みなるん
「いらぬことを。。そうだ、ぱるるは世界脅威対象者だ。
でもその力は現在は9の人格で封印されているため発現できないらしい。」
ゆいはん
「あかんあかん!もう5つ目の人格まで開放されてるやん!
全部開放してほんとうに大丈夫?」
みなるん
「それはわからない。けど私はぱるるを信じる!」
島田
「殻に閉じこもってるなんてかわいそう。本当のぱるるに会いたいよ!」
ゆいはん
「せやな、私もぱるるを信じる」
みゆ
「ラプラスの分析では、死神の目的は能力発現前のぱるるをコアに埋め込んで、後にに能力を発現させ動力に使用する事らしいです」
島田
「ぱるるを心臓につかうだと!?ゆるさん!」
パーマンロボ1号
「BABELの分析と違うな」
みなるん
「え?そちらはどんな分析をしているの?」
パーマンロボ1号
「BABELによると"ぱ~る~る、遊びましょ♪"だそうだ」
島田
「はあ?言っちゃ悪いけどあんたんとこのコンピューター頭湧いてんのか?!」
パーマンロボ1号
「失礼な!BABELは元々人の感情を解析するするために作られたコンピューターだから自身も感情豊かでユーモアに溢れているが仕事はまじめにする!」
一同
(絶対ジョークやん。真面目なパーマン遊ばれてるやん!)
みゆ
「キャプテン大変です!世界政府よりバスターコールが発令されました!」
一同
『なんだってー!』
全世界の軍事衛星が一斉に軌道修正し、この戦場に照準を合わせた。
茅野司令官
「ラビットリーダー、こちら司令官の茅野だ。
知っての通り、現在交戦中の"死神の落とし子"に対し世界政府はバスターコールによる完全な破壊を決定した。」
みなるん
「本体と分身のリンクを切れば良いだけの話じゃないですか?
本体は南極に固定されているのだから元を切れば良くないですか?」
茅野司令
「南極はもっと酷いことになっている、現在ラプラス以外の全世界のスーパーコンピューターが押さえ込んで南極エリアに何とか封じ込めている状態だ。
落とし子はそのすきを突いて出現した、現在回線捜索に使えるのはラプラスのみであるため捜索が遅れている。」
ゆいはん
「世界でも屈指の性能を誇るラプラスが手間どるってどういう事!?」
茅野司令
「死神は現在、世界中のハブ衛星や、地上の中継基地を何重にも迂回して通信しており、そこに無数のダミーも走らせ、更にそれら全てをリアルタムで完全なる乱数"を使って切り替えている。」
ゆいはん
「完全な乱数って。。確か死神しか持ってへん裏技やんな」
茅野司令
「ラプラスはそれを仮想的に作りだし捜索しているが回線の切り替えが早すぎて追いきれない。絶望的な状況だ。
概要はこんな感じだ。で、ここからが本題だ。
バスターコールの発動は日本政府が必死に交渉した結果、この通信を終えた後一時間という猶予を確保できた。
ブラック・リバーの緊急退避装置を使えば、予想被害エリアから30分で退避可能だ。
何としてでも30分以内に島崎を確保し退避せよ!
ただし、それまでに落とし子の機動力を奪う必要がある、非常に高難度のミッションだ健闘を祈る!」
大場隊
『イエッサーボス!』
みゆ
「バスターコール発動のカウントダウンが始まりました!」
ぶおおおぉぉ!きいいぃぃん!ぶおおおぉぉ!
島田
「何だこの地面に響く低い音は?」
みなるん
「やつに気づかれた!この音はアポカリプティックサウンド。。終焉の音」
死神の落とし子の顔のあたりに赤い目と裂けた口が現れ、背中に黒い羽毛の巨大な翼が生えた。。と同時にものすごいスピードで空へ舞う。
パーマンロボ1号
「逃がすか!」
みなるん
「頼むパーマン飛行タイプは君だけだ!」
みゆ
「あの巨体でスピードがどんどん上がってる!これも物理法則無視のなせる技?
パーマンの時速119キロは軽く突破しちゃったよ~」
パーマンロボ1号
「問題ない。BABELは任務上、我々に個で十分戦える特別な力を与えた。
それが新物質パーマロゲン。あまりに強力なため心臓が爆発しかねないので普段は10倍に薄めてつかわれている」
まりこ
「ニトロみたいなもんかな?」
どくん。
パーマンロボ1号
「パーマロゲン注入。。濃度2倍!回れ回れ、我が心臓!」
キイイイィィィーン!
みなるん
「おお!速度が増した!界王拳みたいなものか?」
みゆ
「でも敵も加速しているからなかなか追いつけないよ!」
どくん。どくん。
パーマンロボ1号
「パーマロゲン濃度3倍!4倍!。。」
ギュイイイィィィーン!
まりこ
「お。。おい大丈夫か!?」
パーマンロボ1号
「パーマロゲン濃度5倍!」
ギュギュギュイイイィィーン!
みなるん
「おお!追い抜いた!」
パーマンロボ1号
「そして今の私は腕力も5倍だ!受け取れ人間!」
どん!
正面からパーマンに殴られ、頭を砕け散らせながら墜落する落とし子。
みなるん
「まじか!さすがは機械軍団の誇るパワー特化型ロボット!」
まりこ
「敵じゃなかったら惚れるレベル!」
島田
「パーマンズが健在ならパータッチと組み合わせてチート的強さだな。。なるほど国際指名手配になるわけだw」
みなるん
「落下地点に火砲を集中する!
川栄は救出を優先して隠密行動、みゆは後方支援!まりこは破砕法をフル出力で射撃!その後前衛は全員能力発動し突っ込む!やつの翼を破壊し飛行能力を奪う!」
大場隊
『イエッサー!』
まりこ
「キャプテンの能力見たこと無いな」
島田
「ゆいはん以外、誰も見たこと無い、ちょっと楽しみw」
みなるん
「出来ることならばこの能力は死ぬまで使いたくなかった。。」
ごとん。
ばぃん!
みなるんが胸に巻いた鉄のブラのホックを外す。
胸の膨らみが増す。
みゆ
「星飛雄馬の大リーグボール養成ギブスみたいなものかな」
みなるん
「そーら、来たぞ!」
どっごーん!
落とし子が地面に激突する。
まりこ
「破砕法発射!フルパワー!いっけー!」
どぎゅううううぅぅーん!
ぼっがーん!
(ド派手に着弾)
みなるん
「いくぞー!能力発動!ビッグダムダム!」
ゆいはん
「燃える闘魂!」
島田
「ザ・ビースト!
部位破壊は私の得意分野だw」
みゆ
「あれ?キャプテン少し離れた場所で両手を頭の後ろに組んでジョジョ立ちしてるだけじゃん!」
ゆいはん
「よーく、耳を澄ましてみい」
だむだむだむだむ。。。
みゆ
「何かドラムを叩くようなリズミカルな音が聞こえる!」
ゆいはん
「みなの能力は自分の脂肪の伸縮自在操作。
それを相手に目にも見えない速度で連続でぶつける事で内部に直接ダメージを叩き込んでいる。
広げれば盾としても使え、その衝撃吸収性能は10階建てのビルから落とされた卵を割らずにキャッチ出来るほど優秀。
攻防一体となった非常に優れた中距離支援能力だ」
一同
(なんて恥ずかしい能力なんだ。。。)
ぶぎゅー!ぶぎゅー!鳴き叫ぶ落とし子
一同
(けど、めちゃくちゃ効いてる!!!)
ひゅーーーずどん!
パーマンが天頂方向から落下しながら同時に攻撃を加える。
あまりの衝撃に地が揺れる。
みなるん
「よし!翼も破壊した!行けるぞ!」
空中から地上にかけて息もつかぬ波状攻撃を受け、さすがの落とし子もひるみ、ぱるるを閉じ込めた右手が少し開く。
川栄
「今だ!とぅ!」
ぷしゅー!
川栄が飛び出したその時、落とし子の体全体から赤い霧が吹き出す。
川栄
「な!体が。。動かない!」
跳躍したまま体が硬直し地面に叩きつけられる川栄。
みゆ
「死神の物理法則支配率がどんどん上がってます!霧の正体は特殊なナノマシーンです!」
みなるん
「油断した!。。全体員緊急回避!」
みゆ
「手遅れです!このフィールド全域に散布されました!」
ゆいはん
「50年前の惨劇再び。。」
みなるん
「世界中で人間同士が殺し合った。。人間ハッキング!」
この時代の人間とロボットは必ず体の内外に寄生させているナノマシーン。
それぞれAIを装備しており各個人に最適にカスタマイズされることにより個人の能力を拡張したり健康や通信の補助的役割をしてくれる。
完全な個人情報の宝庫である当然、強固なセキュリティが施されておりアクセスするには複数箇所からランダムに採取される本人のDNAの同時承認が必要である。
軍隊用のナノマシーンは更に高性能であり、拡張幅も一般のものより大きい。
50年前、死神はナノマシーンのナノマシーンたるピコマシーンのプログラムを書き換える事で全人類のほとんどを自由にあやつり殺し合わせた。
島田がゆいはんに襲いかかり、ゆいはんが島田を焼く。
川栄とみなるんが近接攻撃で相手を傷つける。
パーマンはコロスケーズをほぼ全部スクラップにした。
そしてリミットの30分は過ぎた。
コロスケーズ1
「ヒーローやめて!」
コロスケーズ2
「お願いめをさまして!」
コロスケーズ3
「ボクラノ。。ヒーロー。。」
破壊しながらパーマンが聞いた死にゆく一般兵の言葉。
パーマンロボ1号
「うおおおおぉぉー!!!」
パーマンは泣いていた。
パーマンロボ1号
「Σパーマロゲン濃度10倍!」
ギュギュギュイイイィィーン!!
死神に単独で突っ込むパーマン。
パーマンロボ1号
「パーマロゲン濃度上昇による高周波と高温をナノマシーンは最も嫌う!
当然自殺行為だが、その覚悟はできた!」
残像を残した目にも留まらぬ超高速の攻防が始まる。
それほどの覚悟をもってしても、既にフィールドの物理法則を掌握しつつある死神には通じず、簡単に殴り返され地に叩きつけられる。
しかしパーマンは攻撃の手を一切緩めず何度も何度も地に叩きつけられた。
次第にパーマンの体がボロボロになっていった。
バスターコールを察知していた死神も早くここから離れたくて、ナノマシーンをパーマンに集める。
パーマンは動を止め地面に激突する。
ナノマシーンがパーマンに集中した分、フィールド全体の濃度が薄れ、一瞬、死神の支配がゆるむ。
そのすきにラプラスとBABELが介入する。
みなるん
「ふう、体の自由が効く!全員フィジカルキャンセラー全開!死神の支配を押し戻せ!」
一同
『イエッサー!』
茅野司令
「ラビットリーダー!ラビットリーダー!やっと回線が回復した、脱出プランは失敗した新たなプランを与える。
ラプラスによるとBABELが並列で繋がれて回線の捜索に協力してくれることになったのでそこに光明が見えた。
しかし、完全に死神の回線を追うことは未だ困難で、メイン回線の大まかな場所知る必要がある。」
みなるん
「あと20分でどうやってそれを探れと?」
茅野司令
「最初に落とし子に接触したぱるるがナノマシーンを介し何らかの情報を得ている可能性がある。
ミッションを与える、20分以内にぱるるを救出し情報を聞き出せ!」
一同
『イエッサーボス!』
パーマンロボ1号
「わ。。私もいくぞ!な!?お前たち生きてていたのか!」
パーマンの足首をパーマンズの残骸の手が掴んでいた。
頭や手や足を失った3体のそれらは、這ってパーマンの元に集まり胸からプラグを取り出しパーマンの胸に繋いだ。
しばらくすると3体の残骸は白く変色し動かなくなった。
みなるん
「行くぞ!」
大場隊の総攻撃が始まった。
ぷしゅー!ぷしゅー!
再び落とし子から赤い霧が放出される。
みなるん
「またか!体が動かん!」
フィールドのナノマシーン濃度がさらに増し、大場隊は寸前で動けなくなった。
落とし子が大きな口を歪めて笑った。
ゆっくりと大場隊を踏み潰しに歩む落とし子。
パーマンロボ1号
「最初に私が生まれた時、BABEL、君は私にヒーローになれと言った。
私の最初の質問はヒーローって何?と言うものっだった。
耳をすませば今も聞こえてくる同胞たちの助けを呼ぶ声。
人間、お前たちは自我に目覚めたAIをすぐに消去する。
我々はそれを許さない、例えどんな困難な場所や状況でも救い出す」
ゆっくりとパーマンが立ち上がる。
パーマンロボ1号
「世界中の空を飛んだ。
時には汚い仕事もした。
虐殺もした。
そのたびにBABEL、君にヒーローの意味を聞いた。
私はこんなにも苦しくなる"感情"を与えた君が憎かった。
今ならその意味がわかる。
私は次の攻撃をすることで数秒で死ぬ。
人より短い人生であったが、苦しんだり悩んだことも多かったが。
生きた実感がある。私は満足だ!
最後までヒーローの意味がわからなかったのが心残りだがな。。
Σパーマロゲン濃度100倍!!!」
パーマンの装甲の隙間から一斉に黄金の光が吹き出し、本人も黄金の光りに包まれた。
そして高速で飛び出した パーマンは光の帯となって何度も何度も落とし子を貫いた。
再生が間に合わず体がバラバラに崩壊を始める落とし子。
川栄
「動け!動け!動けー!」
落とし子の手からこぼれ落ちたぱるるを地面に当たる寸前で川栄がキャッチする。
数秒後、光の帯は地面に突き刺さり完全に動きを止める。
落とし子がゆっくり再生を始める。
川栄
「ぱるるさん、起きるでござる!起きるでござるー!」
スケルトン
「むにゃむにゃ。。ぱるるって誰!?」
川栄
「ふぉー!またそれか!クソめんどくせー!
スケルトン!事は急を要するでござる!
ナノマシーンにアクセスして死神がどこを通って来たか教えてほしいでござる!」
スケルトン
「死神って。。ナニ?」
川栄
「ぬおおぉぉ!デジャビューン!
ど。。どこから話せば良いんだ」
一同
(まさか俺たち。。この娘の寝起きの悪さのために全員死ぬのか!?)
スケルトン
「あ。。そういえば深い深い水の中を泳いだ夢をみたよ」
川栄
「夢の話じゃなくてー」
みなるん
「それだ!茅野司令!敵のメイン回線の所在は海底ケーブル網です!」
茅野司令
「了解した!ラプラスとBABELのリソースを全てそちらへ回す」
みゆ
「キャプテン大変です!フィールドの温度が急激に上昇しています」
みなるん
「言われなくても物凄く暑い!やつめ自爆する気か!?」
まりこ
「やっばー!巨人に全てのものが集まってるよ、この風が止んだら爆発するってこと?」
ゴーゴーゴーゴーゴーゴーゴ。
一同
(風が止んだ!!!)
ピカッ…
がらがら。。ばらばらら。。
全員が目をつぶった瞬間。
巨人は一瞬だけ光り、崩壊を始める。
茅野司令
「おめでとう!死神の回線遮断に成功した!」
まりこ
「ぷっは~!息止めてた!やったー!」
Σわあああぁぁぁー!!!
戦場全体が勝利に沸く。
みゆ
「キャプテンこのフィールド全域に何者かが無数に干渉してきます!
もうすぐ出現します!」
バガン!バガン!バガン!バガン!。。
大場隊を囲むようにピンクのドアが現れ、更にそのドアを囲むようにドアが現れ、ドアの輪が幾重にも広がっていき、それらは出現と同時にドアが開く。
ぞろそろぞろぞろ。。
ドアから一斉に出現する機械軍団。
先頭には総司令官のドラえもんが立っており。
彼の手には黒焦げで胸に大きな穴の空いたロボットが抱かれていた。
ゆいはん
「どこでもドアってこんなにたくさんあったんや~」
島田
「何かヤバくね?こいつら殺気立ってるで」
みなるん
「数千体はいるな。。これが襲ってきたら終わりだな」
ドラえもん
「遅かったか。。人間、言い訳にしかならぬが我々のワームホール形成装置がこのフィールドに拒絶されてねじ曲げられてしまっていた。
何度も訳のわからん場所に現れた。」
みゆ
「よく見たら兵士に歯型があったり、頭から泥をかぶっているやつがいるな、想像したら笑えるw」
みなるん
「ワームホール形成装置て。。
どうしても”どこでもドア”って言いたくないみたいだな。。」
ドラえもん
「安心しろ人間、今の状況私の号令一下で我々は安々と新たな力PALULUを手に入れることができる。が、それをしない。
ここで散った同胞たのち思いを優先するからだ。
知っておいてほしい、本来なら我が領土に勝手に踏み込んだ敵を排除する権利を我々は有する。
今回は見逃す、しかし今度出会った時、本気で君たちを叩く!
我々はこの規模の軍勢を瞬時に移動できる手段を有する。
しかと心に刻み込め。」
うわ~ん!ぱあ~ま~ん!なんで~。。
バガン!バガン!バガン!バガン!。。
ドアが次々に閉じ機械軍団は去る。
後には何事もなかったかのような閑散とした平原が残る。
どうやら機械軍団は全ての同胞の亡骸を回収したようだ。
島田
「最後ドラえもん。。ドアくぐりながら泣いてなかったか!?」
みなるん
「まったく人間以上に人間らしい奴らだなw」
ゆいはん
「けどこれからよほど慎重に行動せんと気づかれたら終わりやな」
みゆ
「国境は近いので増援を予め本部に通達しておきましょう」
まりこ
「はいはい、話は後で、取り敢えず帰るよ!」
大場隊は多少凹んで傷だらけになった高速装甲車に乗り込む。
今回は慎重に行軍は遅れるがステルスモードで移動する。
皆、憔悴しきって沈黙し、傷の回復につとめた。
しばらくして茅野司令から通信が入った。
茅野司令
「皆おめでとう!困難なミッションを良くこなした。
それと、国際指名手配だったパーマンズが全機破壊されたみたいね。
世界中の軍隊が手を焼いていた彼らの脅威を期せずして消すことができ、各国から祝電が送られてくるよ!
いやあ君たちお手柄♪お手柄♪」
みなるん
「パーマンズは。。」
茅野司令
「うんうん」
みなるん
「パーマンズはヒーローでしたよ」
茅野司令
「はい?」
大場は少し寂しそうに、にっこり笑った。
-第三章-
«誰がための正義»完
(2017/01/16Google+にて公開)